アジアのフィンテック拠点争い、シンガポールがライバル香港をリード
アジアの機関投資家に調査・分析を提供するプラットフォームを運営する新興企業、スマートカーマは、香港ではなくシンガポールを拠点に選んだ。
同社のラガーブ・カプール最高経営責任者(CEO)は「イノベーションの支援という点でこれほど進歩的な政府を持つ都市は、世界中見渡しても他にはない。許認可しかり、資金援助の機関しかり、事業運営上の支援しかり」と話す。
事実、シンガポールの国家機関SPRINGはスマートカーマに投資し、政府機関のインターナショナル・エンタープライズは同社の海外進出を支援している。
出遅れる香港
香港のフィンテック産業は3億ドル規模に達しているが、法律家やコンサルタントによると新興企業は厳しい規制上の障害に直面する。trybによると、香港のフィンテック企業は100社に満たない。
香港の規制では、クラウドファンディングのプラットフォームや決済企業、個人間の貸し借りを仲介するピア・ツー・ピア事業を立ち上げたり、事業認可を得るのが難しい。
香港の金融サービス発展評議会(FSDC)のローラ・チャー会長は「われわれはまったく動きが遅い。この成長分野(フィンテック)は金融産業の鍵を握る要素であり、無視できない」と述べた。
(Saeed Azhar and Marius Zaharia記者)