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バングラデシュバングラデシュ人質事件の余波、繊維産業へ大打撃か
7月3日、バングラデシュの首都ダッカで武装勢力が飲食店を襲撃し、外国人ら20人が死亡する事件が発生したことで、同国の主要産業である繊維業界の幹部からは欧米の主要顧客が関係の見直しに動くと懸念する声が上がっている。写真はバングラディシュの首都ダッカで2014年1月撮影(2016年 ロイター/Andrew Biraj)
バングラデシュの首都ダッカで武装勢力が飲食店を襲撃し、外国人ら20人が死亡する事件が発生したことで、同国の主要産業である繊維業界の幹部からは欧米の主要顧客が関係の見直しに動くと懸念する声が上がっている。
繊維産業はバングラデシュの輸出の約8割を占め、雇用者数は約400万人に上る。同国は先進諸国市場向けの衣料品の供給で中国に次ぎ世界第2位。
一方、武装勢力による襲撃事件はこの1年半で大幅に増えており、自由なライフスタイルを謳歌する市民が主な標的となっている。
アナンタ・ガーメンツのマネジングディレクター、シャヒドゥル・ハクエ・ムクル氏は「このような事件は間違いなく影響を及ぼすだろう。米国や中国のなどの輸入業者はセキュリティー面の懸念からバングラデシュ訪問に慎重になる」と話した。
バングラデシュでは3年前に工場などの入ったビルが崩落し、1100人以上が死亡する事故が発生。その後の安全点検強化に伴う大量の工場閉鎖などを経て、繊維産業は回復の途上にある。
しかし今回の襲撃事件で外国人の警戒感は高まった。
バングラデシュ衣料製造業・輸出業者協会のモハンマド・シディクル・ラーマン会長は「これほどひどい事件は初めてだ。バングラデシュのイメージは大きく傷ついた。繊維産業には影響があるだろうが、どの程度かは現時点では言えない」とした。
もっとも一部の業界関係者は、セキュリティー面の不安は対処可能で、製造業者はシンガポールや香港など海外で西側顧客と打ち合わせをするケースが増えると予想している。
輸出会社ブラザーズ・ファッションのアブドゥラ・ヒル・ラキブ氏は、外国人がバングラデシュでの打ち合わせに懸念を抱くのは数カ月程度で、半年もすれば状況は元に戻るとの見方を示した。
アパレル小売り大手のへネス・アンド・マウリッツ(H&M)と英小売り大手マークス・アンド・スペンサー(M&S) はいずれもバングラデシュでの操業にすぐに影響がでることはないとしている。