妖精シャラポワは帰ってくる
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<禁止薬物使用で2年間の出場停止処分を受けたシャラポワは2年経ってもまだ31歳。他の選手の場合と違ってナイキがスポンサー契約を切らずにいるのも活躍に期待してのことだ>
ドーピング違反が見つかった「ロシアの妖精」、マリア・シャラポワ。先週、国際テニス連盟(ITF)が2年間の出場停止処分を下したことで、選手生命の危機に直面している。もうコートで姿を見ることはできず、グランドスラム(4大大会)の成績も通算5勝で終わってしまうのか。
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シャラポワが使用していた禁止薬物のメルドニウムは主に心臓病のために使われる薬で、世界反ドーピング機関(WADA)が今年1月1日から新たに禁止薬物に指定していた。ITFが発表した調査結果から、シャラポワ側がWADAの禁止薬物リストにあきれるほど無頓着であったことや、どのサプリメントを服用しているかをチーム関係者に伝えていなかった彼女自身の対応にも問題があったことが浮き彫りとなった。
シャラポワの医師だったアナトリー・スカルニーが、初めてシャラポワにメルドニウムを含んだミルドロネートと呼ばれる薬の服用を薦めたのは2005年。それ以降2010年3月までの間に、スカルニーの処方でシャラポワは30種類の薬を摂取していた。
シャラポワのキャリアは終わったように、一見見える。2年間の出場停止処分から復帰して、女子テニス協会が主催するツアーで他の選手と互角に戦うのはもはや不可能だという意見や、彼女は引退すべきだという声も聞こえる。
ただし、それはシャラポワの年齢を考慮しなければの話。なぜなら処分が解除される2017年1月26日時点で、シャラポワはまだ31歳だ。
選手寿命は延びている
ドイツのシュテフィ・グラフによるグランドスラム通算22勝という記録を確実に破るとみられるアメリカのセリーナ・ウィリアムズは、現在34歳。シャラポワが復帰する頃には36歳だ。
一方の若い世代には、安定して実力を発揮できる選手がほとんど出てきていない。
そう考えると、31歳になったシャラポワが復帰するのは決して無謀ではなく、勝つチャンスも十分にある。
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スポーツ医学の進歩によって、過去と比べてプロスポーツの選手寿命が格段に伸びていることも考慮すべきだ。深刻な怪我を抱えていなければ、30歳という年齢はもはや引退に向けたキャリアの転換点とは見なされない。
米スポーツ用品大手のナイキの対応も、シャラポワ復帰の可能性を裏付けるものだ。ナイキは2年間の出場停止処分が科されたにも関わらず、騒動発覚後に一次凍結していたスポンサー契約を再開すると8日に発表した。