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中東イラン、メッカ大巡礼に今年は不参加「サウジに責任」
5月29日、イランはサウジアラビアのイスラム教最大の聖地メッカへの大巡礼について、イランの巡礼者が今年は参加しないと明らかにした。メッカで昨年1月撮影(2016年 ロイター/AMR ABDALLAH DALSH)
イランは29日、サウジアラビアのイスラム教最大の聖地メッカへの大巡礼(ハッジ)について、イランの巡礼者が今年は参加しないと明らかにした。サウジが「妨害」を行い、巡礼者の安全を確保できていないことが理由だとしている。
イランの巡礼担当組織は国営メディアを通じて声明を発表し、「サウジ政府が続けている妨害行為により、イランの巡礼者は今年の大巡礼への参加を拒否された」と発表。「責任はサウジ政府にある」とした。
サウジのメディアはこれより先、イランの代表団が大巡礼をめぐる合意に達することなくサウジを出発したと伝えていた。
一方、サウジのジュベイル外相はハモンド英外相と行った会見で、「サウジは信者が宗教的義務を果たすことを妨げない」とし、イラン側が協定調印を拒否したと述べた。
昨年の大巡礼では、将棋倒しが発生し数百人のイラン人信者が死亡した。また、今年1月にはサウジが国内のシーア派指導者らを処刑し、同派のイランでこれに反発した群衆がサウジ大使館を襲撃。サウジが断交を表明し、両国関係が悪化していた。