最新記事

オーストリア首相が辞任、政策めぐり党内の対立で求心力低下

難民政策などで多方面からの圧力にさらされ

2016年5月10日(火)09時25分

5月9日、オーストリアのファイマン首相が辞任表明した。写真はウィーンで2月撮影(2016年 ロイター/Heinz-Peter Bader/File Photo)

 オーストリアのファイマン首相は9日、連立政権の首相、および自身が率いる社会民主党(SPO)の党首職を辞任すると表明した。先月実施された大統領選第1回投票で、社民党と連立を組む国民党(OVP)が大敗を喫したことが背景にある。

 ファイマン氏をめぐっては、社民党内から難民政策の厳格化に対する不満が高まる一方、ユーロ懐疑派で反移民政策を掲げる自由党(FPO)との連立禁止の維持を求める方針をめぐっても批判を受けるなど、多方面から圧力にさらされていた。

 大統領選の第1回投票では、自由党のホーファー国民議会(下院)第3議長が3分の1以上を得票。22日に実施される決選投票では、緑の党の前党首ファン・デア・ベレン氏とホーファー氏が対決する構図となった。

 ファイマン氏の報道官は、連立政権の行方については分からないとコメントした。

 人口850万人のオーストリアは昨年、約9万件の難民申請を受け付けた。

[ウィーン 9日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英総合PMI、4月速報48.2 貿易戦争で50割れ

ビジネス

円債は償還多く残高減も「買い目線」、長期・超長期債

ビジネス

中国の越境金融サービス促進、人民元国際化に寄与=人

ビジネス

日産2000億円追加投資、トヨタ・ホンダ現地開発E
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 2
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 3
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
  • 4
    パウエルFRB議長解任までやったとしてもトランプの「…
  • 5
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 6
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 7
    なぜ世界中の人が「日本アニメ」にハマるのか?...鬼…
  • 8
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 9
    日本の人口減少「衝撃の実態」...データは何を語る?
  • 10
    コロナ「武漢研究所説」強調する米政府の新サイト立…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 7
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 8
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中