景気減速の中国、消費者の節約志向が招く「修羅場」
即席めん・飲料大手の康師傅<0322.HK>、スーパーチェーンの聯華超市<0980.HK>、中国服飾<1146.HK>、民生珠宝<1466.HK>などの企業は、売り上げ低迷について「落ち込む消費」と値下げ予想のせいだとしている。
「今年はかんばしくない。実際のところ、これまで売り上げは伸び悩んでいる」と、上海の雑貨チェーン「エンジョイ・イージー」の店員は語る。昨年は、顧客1訪問当たり100─200元(約15─30ドル)を売り上げていたが、今年はそれよりかなり少ないとし、「今ではわずか数ドルしか使わない人もいる」という。
大型スーパー運営大手「高キン零售」は先月、2016年は小売業者にとって「厳しい年」になるだろうと説明。同社の2015年利益は16%減少した。
低迷は、本土からの訪問者の需要に大きく依存しがちな香港にも広がっている。香港の小売売上高は昨年、13年ぶりの低水準を記録。今年も減少が続いている。
「われわれの大半が(2月に)2桁の売り上げ減を経験した」と、香港零售管理協会の鄭偉雄・会長は今月、電話会議で述べた。多くの小売業者が経営を維持するために人員を削減しているとし、「皆、状況を非常に憂慮している」と語った。
(Adam Jourdan記者、Donny Kwok記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)