ネット世界「地球村」で孤立する「紅い皇帝」――第二回世界インターネット大会
それにしても、12月14日の本コラム「インド、日本の新幹線を採用――中国の反応と今後の日中バランス」で書いたように、日本がインドの新幹線を選んだことによって中国が受けた打撃は、あまりに大きい。一帯一路構想を分断されたようなものだから、習主席の表情は冴えず、「紅い皇帝」の自信も消え失せている。
明暗を分けているのは「自由民主の国」であるか否かだ。
インドが中国を選ばなかったのは、そこが「自由民主の国」ではないからであり、共産党政権である独裁国家、中国の軍門に降りたくはなかったからだろう。今般の世界インターネット大会サミットに集まった首脳級が中国の友好国でしかないのも、中国に言論弾圧があるからである。それは9月3日の軍事パレードのときの参加国と共通点を持っている。
チャイナ・マネーだけでは動かない世界のメカニズムが働き始めているのを、中国はそろそろ自覚すべきではないだろうか。
[執筆者]
遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。