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中東

エジプト政府の弾圧でムスリム同胞団が過激化

2015年9月1日(火)06時30分
ジャニーン・ディジョバンニ、フレデリック・エリソン

 新指導部の中には、「防衛的暴力」を主張する者もいる。シシ政権を動揺させる目的で、インフラ攻撃や治安部隊への報復を行うのだ。「古株には非暴力が染み付いているが、若手にはそうした意識がない」とハミド。

 指導部は求心力を失っている、と指摘する同胞団の元メンバーもいる。幻滅したメンバーが過激なテロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)などに移る危険もある。ハミドによれば、これまでは管理体制や忠誠心が歯止めになっていた。

 近隣諸国は動向を注視している。同胞団は中東では数少ない非暴力を掲げる政治勢力で、組織力も高い。サウジアラビアなど主要国の仇敵でもある。イランとの覇権争いに忙しいサウジが態度を軟化させる可能性はあるが、同胞団がサウジの君主制を脅かす存在であることに変わりはない。ハミドが言うように「同胞団は宗教的な反対勢力で、民主的な選挙を支持する。サウジはそのどちらも嫌いだ」。

[2015年8月25日号掲載]

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