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古代エジプトツタンカーメンは本物の男だった
仮面の下は CTスキャンの結果、少年王が「女性化」していなかったことを示す証拠が見つかった Michaela Rehle-Reuters
謎に包まれた古代エジプトの少年王ツタンカーメンの死因や血縁関係が、このほどDNA鑑定で解明された。エジプト考古最高評議会のザヒ・ハワス事務局長を中心としたチームが行った調査で、19歳ぐらいで死んだツタンカーメンをはじめ、紀元前15〜11世紀のエジプト王族のミイラ11体からDNAを抽出。その結果、身元不明だったミイラ3体がツタンカーメンの両親と祖母だったと判明した。
さらにツタンカーメンの体内からマラリア原虫のDNAが見つかった。調査チームは、血流障害で骨が壊死する無血管性骨壊死とマラリアの合併症が死因ではないかと推測している。ツタンカーメンの墓に杖が埋葬されていたことから、生前に歩行が困難だったことがうかがえる。
しかしもっと面白いのがミイラの生前の容姿。ツタンカーメンの時代の王族は女性化か、少なくとも両性具有的な姿が彫刻などで残されている。このため王家の男性は遺伝的に、ホルモン分泌の異常があったのではないかという憶測もあった。しかしCTスキャン検査の結果、その兆候は見られなかった(女性化していないことを示す証拠として、ペニスが良好に発達していたという)。古代エジプト王族の女性的な造形は、当時の芸術手法だったようだ。
[2010年3月 3日号掲載]