LE SSERAFIMやチョン・ソミンも実践! 「ヴィンテージ・ディカ」で撮る韓国女子の新常識
iPhoneを2つ持ち歩いてます
こういった古いデジカメを韓国の若い女性たちは「ヴィンデージ・ディカ」と呼び、それを使って撮影した写真や動画をインスタグラムに投稿するのが流行っている。冒頭のチョン・ソミンに限らずハン・ソヒといった人気女優、またLE SSERAFIMのサクラ、キム・チェウォンといったK-POPアイドルもこぞって「ヴィンデージ・ディカ」で撮影したセルフィーをインスタにアップしている。
もちろん、アイドルや俳優たちが新しいことを始めると、トレンドに敏感な若い女の子たちがマネしないわけがない。韓国メディア韓国日報は、最新のiPhoneを持ちながら、今となってはレトロなiPhone5を撮影用に手に入れた女子大生のことを伝えている。
大学生のパク・スヨンさん(22)はスマホ2台を使い分けている。最新のiPhone16と10年前に発売されたiPhone5Sだ。普段、電話やSNSで友人と連絡するときはiPhone16を使うが、写真を撮る時は旧型のiPhone5Sを使う。彼女は「旧型のiPhoneで写真を撮ると、昔のフィルムカメラで撮ったような雰囲気がします。今撮ったのに昔のような感じがしてかえって新鮮」と話す。
彼女のように韓国では最近旧型の携帯電話を買い求める若い女性が多いという。昔の感性を追うレトロブーム「ヤングトロ(Young+Retro)」だ。 彼らは鮮やかに"映える"写真が撮影出来る最新のスマホより、ボタンでシャッターを操作する古い機種がいいという。ちょっと色あせた色味の写真になる点も旧型を求める理由だ。
ジョブズ時代のiPhoneがきれい
特に旧型のiPhoneの人気が高い。2016年に発売されたiPhone SE第1世代を欲しがる人びとを指す新造語「iPhone SE病」まで登場した。大学生のキム・ミンジョンさん(21)は「最新のiPhoneより昔のスティーブ・ジョブズ時代のデザインがもっとビンテージできれいだと思う。片手に入る小さな大きさにホームボタンがある昔のデザインが懐かしい」と話した。大学生のイ・ジスさん(23)も以前使っていたiPhone 6をサブフォンとして使っている。彼女は「同年代の間では旧型iPhoneがむしろ新型より人気が高い」として「旧型で撮った写真の色彩が新型よりユニークだ」と話した。
こうしたヴィンテージ人気のおかげで旧型iPhoneの価格が高騰している。オンライン中古取引サイトなどで、iPhone SE第1世代は20万ウォン(約2万1000円)を優に超える。発売から10年経ったiPhone 6Sの価格も10万ウォンに達する。中古取引プラットフォーム「稲妻市場」によると、昨年iPhone 6Sの登録件数は前年比519%も増加した。同期間の取引量も28%増えたという。
NewJeansも後押し
「ヤングトロ」ブームに支えられ、旧型デジタルカメラの人気も数年間続いている。2023年12月、ガールズグループNewJeansが「Ditto」のミュージックビデオでデジタルビデオカメラでメンバーを撮影する映像が話題になり、古いデジタルカメラを買い求める人が多くなったという。
デジタルカメラを購入するために4日、ソウル市中心部の鍾路区(ジョンノク)のセウン商店街を訪れたハン・ナムギョン(24)さんは「最近デジタルカメラの人気が高まり、気に入った製品を手に入れるのが難しくなりました。1年前より価格も大幅に上がった」と話した。
需要が増え、価格も上昇した。セウン(世運)商店街で40年以上中古カメラの商売をしていたというキム・ミンホ(70)さんは「数年前に5万ウォンだったカメラが最近は15万ウォンまで上がった」とし「以前はお客さんが処分するカメラをタダで引き取っていたが、今はお金を払って仕入れている状態」と話した。
消費学のイ・ウンヒ教授は「若い世代が古いものを古いものとして片付けず、新しいものと古いものをコラボして自分だけの感覚が込められた製品として活用している」として「経験していないアナログ時代を享有しながら過去の一場面に入ったような新鮮な経験も楽しんでいる」と分析した。