貧困、肉体的・精神的虐待「児童婚の悪夢」...2000~18年の未成年の結婚は全米で約30万人
TO END CHILD MARRIAGE
DV被害者のシェルターは、保護者のいない未成年者の入居を断ることが多いと、UALの創設者で代表のフレイディ・リースは言う。
強制的に結婚させられた相手から逃れるために家を出た未成年者は、行き場がなければ、警察に捕まって家に連れ戻される危険性もある。成人では「家出」は罪にならないが、未成年者であれば犯罪と見なされるからだ。
また警察に捕まったら、大人であれば弁護士に相談できるが、未成年者はそれもままならないと、リースは言う。未成年者との契約は無効と見なされるケースが多く、「そもそも未成年のクライアントの相談に応じる弁護士はまずいない」からだ。
リースはこうした状況を児童婚が生み出す「悪夢のような法律の罠」と呼ぶ。この罠にかかれば、虐待を受けていても離婚訴訟を起こせないし、身の危険を感じても加害者に接近禁止命令を出すよう裁判所に申し立てることもできない。
#DidYouKnow #ChildMarriage creates a nightmarish legal trap? Minors face overwhelming barriers if they try to escape a #ForcedMarriage. Marriage before 18 is recognized as a #HumanRights abuse that destroys almost every aspect of an American girl's life: https://t.co/5tBgcgthrk pic.twitter.com/0gts3GYDmd
— Unchained At Last (@UnchainedAtLast) July 9, 2023
ビアラトによると、ニューヨーク州などでは、未成年者が離婚を申し立てようとしても、法律行為をする資格がないため認められない。親など保護者の同意があれば認められる州もあるが、そもそも未成年者に結婚を強いたのが親である場合、同意が得られないかもしれない。
それでも、離婚したい未成年者が助けを得る方法はたくさんあると、スウェッグマンは語る。
タヒリ・ジャスティス・センターやUALは、法的なサポートや社会的なサポートを提供してくれるし、未成年者が自分の権利を知る助けになる。
まずは学校のカウンセラーや、友達の家(その親が助けになってくれる場合)から、こうした団体に電話をかけたり、匿名のメールを送ったりするといいと、スウェッグマンは語る。
24時間体制の電話相談も児童婚の問題についての知識を付けつつあり、相談者を適切な支援団体につないでくれるようになったという。「難しい状況だが、助けてくれる人は必ずいる」とスウェッグマンは言う。
州法改正を阻むハードル
一番いい解決策は、結婚できる年齢を18歳以上、つまりアメリカにおける成人年齢に引き上げることだと、子供の権利活動家らは言う。ただ、アメリカでは結婚は州の管轄であるため、最低結婚年齢の引き上げも州ごとに実現していく必要がある。
「州法を改正すれば済む問題だ」と、ブラッドベリーは言う。「何かに莫大な投資をする必要はない。多くの場合、『親の同意があれば(未成年者でも結婚できる)』という一文を削除するだけでいい」