「しょせん男社会」とネット愕然...『バービー』主演女優&監督のオスカー落選に「ケン」が一言 ヒラリーも反応
マーゴット・ロビー(2023年7月12日、英ロンドン) Fred Duval-Shutterstock
<社会現象レベルのヒットを記録しただけに、バービーを演じたマーゴット・ロビーとグレタ・ガーウィグ監督の落選は波紋を呼んでいる。2人に対し、ヒラリー・クリントンからもメッセージが>
現地時間1月23日に発表された映画芸術科学アカデミー主催の第96回アカデミー賞ノミネーションで、バービー人形を実写化して社会現象レベルの大ヒットとなった『バービー』の主人公と監督が候補入りしなかったことが、「女性蔑視」と波紋を広げている。
●落選した2人にヒラリー・クリントンから激励メッセージ、その内容とは?
バービーを演じた立役者マーゴット・ロビーと女性監督として新たな興行記録を打ち立てたグレタ・ガーウィグ監督が候補から漏れる予想外の結果に、「バービーの映画で主人公だけ選出されないのはおかしい」と失望の声が相次いでいる。
同日公開の『オッペンハイマー』は13部門に名を連ねる快挙
マーゴットはこれまでゴールデンローブ賞や放送映画批評家協会賞、全米映画俳優組合(SAG)賞などで主演女優賞にノミネートされており、受賞の有無に関係なく、アカデミー賞でも主演女優賞候補入りが確実視されていた。一方のグレタ監督もオスカー初受賞が期待されていた。
今年のアカデミー賞を席巻したのは、最多13部門にノミネートされたクリストファー・ノーラン監督が「原爆の父」を描いた『オッペンハイマー』。作品賞、監督賞、俳優賞、脚色賞など主要部門を独占し、ノミネート可能なすべての部門に名を連ねる快挙となった。
一方、同日公開で「バーベンハイマー」現象を巻き起こした『バービー』は、作品賞、ケン役のライアン・ゴズリングの助演男優賞、脚色賞、歌曲賞など8部門で候補入り。バービーの持ち主の母グロリアを演じたアメリカ・フェレーラが助演女優賞にサプライズノミネートされた一方、主演女優賞と監督賞では候補入りすることができなかった。
「ケン」が異例の声明
この結果を受け、メディアは一斉に『バービー』が「冷遇」されたと報道。多様性やジェンダー平等を訴えた作品であることから、「ハリウッドはしょせん男社会」と皮肉る声も上がり、CNNは「女性が公平に扱われるのは難しい」と家父長制度が文化のあらゆる側面に組み込まれている現状に言及した。
そんな中、ライアンは「ケンという名のプラスチック人形を演じたことをとても誇りに思っているが、バービーなしでケンは存在しない。そして、グレタ・ガーウィグとマーゴット・ロビーなしに、本作は存在しなかった」と異例の声明を発表。世界で称賛された歴史的な作品の一番の功労者が選出されなかった「冷遇」に異論を唱えた。