「私の出番じゃない」...映画『リトル・マーメイド』の海の魔女アースラを引き受けた理由とは?
“I know her in my heart”
「他人の望みに自分を合わせるなんて冗談じゃない」と語るマッカーシー JON KOPALOFFーFILMMAGIC/GETTY IMAGES
<あの名曲「哀れな人々」を歌うメリッサ・マッカーシーに役への向き合い方を聞く>
人魚姫アリエル役に黒人歌手ハリー・ベイリーを起用したことで話題のディズニー映画『リトル・マーメイド』(日本公開中)。
憎まれ役の海の魔女アースラはコメディー俳優のメリッサ・マッカーシーが怪演しているが、実は彼女、映画で歌うのはこれが初めて。
あの名曲「哀れな人々」を「うまく歌えなかったら、私、この役を降りなきゃって覚悟して」いたと言う。
でも結果は上々だ。アースラという役柄への理解も深かった。「王宮を追放されたというだけじゃなく、すごく孤独で......すごく複雑なキャラクターね」
アニメ版のアースラは巨漢ドラァグクイーンのディバインがモデルになっていたが、マッカーシーもその感じを受け継いだ。
「ドラァグのいない世界なんてあり得ない。そんな世界は見たくもない」
監督のロブ・マーシャルと主演のハリー・ベイリーには感謝の気持ちしかない。
「監督は誰もが住みたいと思う世界をつくり上げた。多様性があって、みんなが勝ち組になれて、誰にも居場所がある世界を。そしてハリー。彼女は力強く映画を引っ張ってくれた。王子様に助けてもらう少女って感じじゃなく、彼女が自分で運命を決めるって感じだった」と語るマッカーシーに、ライターのH・アラン・スコットが話を聞いた。
――アースラをやれと言われて、どう思った?
私の出番じゃないと思ったけど引き受けた。歌える自信はなかったけど、彼女のことは心の底から理解していた。