「警察を呼んで」フードデリバリーの追加注文欄に託されたSOS
追加注文欄に書き込まれた「警察に電話してください」 The Chipper Truck Cafe / Facebook
<バーガーショップの従業員は、料理の注文と一緒に「警察を呼んでください」というメモを受け取ったときピンときた>
ニューヨーク市警察の声明によると6月19日未明、身の危険を感じたある女性(24歳)がフードデリバリーサービス「Grubhub(グラブハブ)」に救われるという出来事があった。
フードデリバリーサービスを利用した経験があればイメージしやすいと思うが、注文時にはメモを記すことができる。男性と過ごしていた女性は、チーズバーガーとアイリッシュブレックファストサンドイッチの注文とともに、「追加注文」の欄にSOSを託した。
午前5時前の怪しい注文
SOSの注文を受けとったのは、ニューヨークのバーガーカフェ「The Chipper Truck Café」。店のFacebook投稿によると、件のオーダーが入ったのは午前5時前。この店のオーナーの娘アリシア・ベルメジョさん(20)はメッセージが支離滅裂だったため、店主である父親に電話で相談。
店主は「偽物だろうがなんだろうが、911に電話しろ」と言った。チーズバーガーとアイリッシュブレックファストサンドイッチの注文はキャンセルし、代わりに警察を派遣するよう指示した。
ニューヨーク市警によると、店からの通報を受け、午前6時20分ごろに警官が現場に駆けつけ、ケモイ・ロイヤル容疑者を確保。レイプ、絞殺、犯罪的性行為、不法監禁、脅迫、暴行、武器の犯罪的所持、性的虐待の容疑で逮捕した。
被害にあった女性は無事救出された。チーパーズの追加注文欄に、すがる思いで託したSOS。人の善意が繋がり、まさに注文通りに警察がデリバリーされた。
ロイヤルはまた、6月15日に他の26歳の女性をレイプしようとした容疑もかけられており、関連して、レイプ未遂、性的虐待、暴行の罪で起訴されている。20万ドルの保証金で拘束されている。
報われる善意
世の中「善意は報われない」とはいうが、たまにはいいことだってある。この女性の救出にあたっての、ChipperTruckCaféの対応を称え、グラブハブ社から5,000ドル(約68万円)が贈られた。
ChipperTruckCaféはFacebookに、「こういった話はよく聞きますが、まさか私たちの身に起こるとは思いませんでした。運良く、私たちは営業していて、彼女を助けることができました」と投稿している。
ベルメジョ氏によると、ChipperTruckCaféは、実店舗は24時間営業、フードトラックは18年間も地域で愛されてきた。地元では一種の自警団として知られているという。深夜に客のために、従業員がタクシーやウーバーを呼ぶこともあるそうだ。
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