『SATC』復活、55歳の「ミランダ」が語る登場人物の変化とサマンサの不在
Change Just Like That
「前回の続きからすぐに始まりたい」と語るニクソン VIVIEN KILLILEA/GETTY IMAGES FOR NEW YORK MAGAZINE
<成熟した彼女たちの新しくも懐かしい物語。ミランダ役のシンシア・ニクソンが語る続編と女性のドラマ(と政治)>
『セックス・アンド・ザ・シティ』(SATC)が帰ってくると聞けば、興奮が高まるのは当たり前。しかもパンデミックの最中に続編が発表されて、心が癒やされた人もいるだろう。SATCは「みんなが戻ってくるところ。危機の時は特にね」と、ミランダ・ホッブズ役のシンシア・ニクソンは言う。
SATCの「新たな章」となる『アンド・ジャスト・ライク・ザット』(HBO Maxで配信中)は、前作とは重要な違いがある。まず、キム・キャトラルが演じたサマンサ・ジョーンズがいない。「私が考えても仕方のないことだから。新しいキャラクターもびっくりするくらいたくさんいる」
もう1つなくなったのは、ミランダの赤い髪だ。監督・脚本のマイケル・パトリック・キングと話し合ったときに、ニクソンが「彼女は55歳。今さら髪形や色でどうのこうのもない」と言うと、「そうそう、ミランダは気にしちゃいない」と返された。
ともあれ、懐かしい登場人物の復活に、ファンはほっとするだろう。「長い間、会っていなかった友人と再会するような感じで、でも前回の続きからすぐ始まりたい」。本誌H・アラン・スコットがニクソンに話を聞いた。
――このプロジェクトに自分が参加するとは思っていなかった?
全く。(続編も含めて)自分に声が掛かることも、ヒットすることも、考えたことさえなかった。映画を作って、もう1本作って、さらにこうして戻ってくるなんて。
――ファンはどんなことを期待していいか。
登場人物が成長して、変化して、成熟する。この作品は特に、年齢を重ねていく。50代半ば、まして女性を描く番組はあまりないだろう。
――ミランダはとても親しみやすい女性だ。
今では私たちが当たり前に受け入れている多くのことについて、彼女は時代の先端を走っていた。世界に対する見方、女性に対する見方や私たちが直面している課題について、私たちはミランダと同じ方向に進んできた。
――再び政治家を目指すつもりは?
私が(2018年のニューヨーク州知事選で民主党の予備選に)立候補した理由の1つは、ほかに人がいなかったから。アンドルー・クオモ(前州知事)は恐ろしくて、執念深くて、政治を生業とする人は誰も対抗できなかった。幸い彼は辞任して、ほかの人たちが出馬するから、もう私が出る必要はない。