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心理学10歳頃まで続く子供たちのある特徴は単なる「でたらめ」ではない
Bribes Wonʼt Work
すぐに得られる報酬よりも子供はいろいろ試して探索したい MARTIN-DM/ISTOCK
<報酬より好奇心を満たす方法を選ぶという研究が...>
世の親たちよ、キャンディーやキラキラシールとはもうおさらばだ。世間で信じられているほど子供はご褒美が好きなわけではないし、わが子に良い行いをさせるにはもっといい方法がある−-そんな新研究が発表されたのだから。
オハイオ州立大学などの実験によれば、子供は目の前の報酬に飛び付く前に、あらゆる選択肢を試してみようとする傾向が強い。実験はこんなふうに行われた。複数の子供と大人に、ゲームをしてもらう。キャンディーを持った4人のエイリアンが現れ、その中から1人のエイリアンを選ぶことを繰り返し、最後に合計で最も多くのキャンディーを獲得していた人が賞品をもらえる、というものだ。
単純過ぎる? 確かに、大人たちはそう思った。大人は法則を見極め、86%の頻度で一番多くのキャンディーを持つエイリアンを選んだ。
だが、子供は違った。報酬は求めずに、他の方法を試してみようとする場合が多かった。最もキャンディーを持っているエイリアンを選ぶのは、ほんの43%程度だった。
だからといって、子供たちがルールを誤解しているわけではない。むしろ彼らは、最も明白なパターン以外の可能性を調べようとしていた。
どうやら、子供生来の好奇心や、あらゆる手段を用いて身の回りの世界の情報を得ようとする性質に理由があるようだ。「子供にとって、探索は報酬以上に何よりの原動力になる」と、オハイオ州立大学のウラジーミル・スラウトスキー教授(心理学)は言う。
報酬より探索を重視するのは、子供ならではの特徴だとスラウトスキーは言う。「生涯で、自分の行動により生じる経済的な結果を気にする必要のない唯一の時期にいるからだ」。この傾向は9~10歳頃まで続くと彼は考えている。
「大人の目には、子供が当てもなく走り、棚を引っかき回し、でたらめに物を手にしているように見えるかもしれない」と、スラウトスキーは言う。「彼らの探索はでたらめなどではないようだ」
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[2020年9月 1日号掲載]