子どもをもたない生き方 ──「チャイルド・フリー」も幸せ
SolStock
<結婚が家系を受け継ぐための制度だった時代が過去の物になりつつある今、子どもをもたないという選択も認知され始めた>
国際チャイルド・フリーの日
子どもを作らないと決めている人たち(男女とも)がいる。英語ではチャイルド・フリーといい、日本では「選択子なし」「子なし夫婦」「ディンクス(DINKs)」といった言葉も使われている。
8月1日は、国際チャイルド・フリーの日だった。きっと知らない人も多いだろう。この日は70年代から80年代にあった「親にならない人たちのための全米組織 NON(のち改名)」のノン-ペアレンツの日が前身。同組織は当時チャイルド・フリーになることが自分勝手で異様だと受け取られることが普通だったなかで、チャイルド・フリーのライフスタイルを促進しようとしていた。
国際チャイルド・フリーの日は、作家のローラ・キャロルがイニシアチブを取って2013年からスタートし、毎年、チャイルド・フリーの人たちを募集し表彰している。2017年までは「今年のチャイルド・フリーの人」として男女1名ずつ選出した。2018年からは性別を問わない「チャイルド・フリーの人」、そしてチャイルド・フリーのカップルやチャイルド・フリーのソーシャルメディアグループなどの「チャイルド・フリーのグループ」の2カテゴリーに変更した。
今年の受賞者は、個人枠はエリザベス・ヒンツさん(既婚)だ。サウスフロリダ大学の博士号取得候補者で、子どもをもたない選択が理解されることを提唱している。「チャイルド・フリーの人たちが避妊治療をする際に、医師たちから投げかけられる心ない言葉」「子どもをもたないという選択について、過去40年間の報道の変化」といったことを研究していて、2019年にはヒンツさんの論文は、全国コミュニケーション協会より学生論文として最高の賞を受けた。
団体枠は、ロシアのチャイルド・フリーの人たちのインターネットコミュニティとその創設者が選ばれた。現在、登録者は6万人を超え、家父長的なロシア社会で、何年にもわたって「子どもがいないことは普通だ」という考え方を支援している。