過干渉は子どもの自立を妨げる
せきたて言葉は失敗を招く
今は何事にもスピードが要求される効率社会です。効率主義は子育てにも入り込んでいて「早くして!」「グズグズしないで!」と、子どもをせきたてる親が多くなりました。せきたてられた子どもは、「早くやらなきゃ!」と焦り、落ち着いてやればできることも、うまくできなくなってしまうのです。
せきたて言葉は「失敗体験」を招きます。「うまくやらなきゃ」というプレッシャーが失敗を引き起こすのです。親からせき立てられ、失敗を繰り返していると「自分には無理だ!」と自信を失っていきます。子育てに効率主義を持ち込んではいけません。子育てには「見守ること」「待つこと」が必要なのです。
新型コロナウィルスで人々の行動が制限されていますが、子どもの成長にとって悪いことばかりではありません。家庭で過ごす時間がたっぷりある今は、子どもがゆっくり時間をかけて自分のやりたいことに取り組むチャンスです。
子どもが興味や関心を持っていること、挑戦してみたいことに思い切り取り組ませてあげましょう。親がリーダーシップを発揮して子どもと一緒に新しいことを始めてみるのも良いでしょう。子どもは自主的なやる気で取り組める「何か」を見つけると、夢中になってのめり込んでいきます。その経験が将来の「強み」につながっていくのです。
[執筆者]
船津徹
TLC for Kids代表。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。2001年ハワイにてグローバル人材育成を行なう学習塾TLC for Kidsを開設。2015年カリフォルニア校、2017年上海校開設。これまでに4500名以上のバイリンガル育成に携わる。著書に『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)『世界で活躍する子の英語力の育て方』(大和書房)がある。
2020年5月19日号(5月12日発売)は「リモートワークの理想と現実」特集。快適性・安全性・効率性を高める方法は? 新型コロナで実現した「理想の働き方」はこのまま一気に普及するのか? 在宅勤務「先進国」アメリカからの最新報告。