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オーストラリア

コアラのためなら「一肌脱ぐわ!」 セックスワーカー大奮闘

“Some Heroes Wear Nothing”

2020年01月28日(火)16時55分
ヘザー・シュウィドル

程なく、ジューシーと名乗るイタリア在住の女性が、この運動のために「#nakedforaustralia(オーストラリアのための全裸)」というハッシュタグを作成。「たくさんの人が参加してくれて、めちゃめちゃ誇りに思っているし、感謝している」と彼女は話す。

ツイッターでは称賛も

大半の参加者がワード同様、10ドルの寄付証明と引き換えにヌード写真1点を提供しているが、寄付額に応じて写真の点数を増やしたり動画を提供したりしている女性もいる。
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PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE. PHOTO BY GETTY IMAGES PLUS

中にはフェチ向け写真を提供する人も。「足とか付け爪に興奮する男たちの多くは、普通のヌードでは満足しない。それなら私はニッチ市場を狙おうと考えた」と、アリと名乗る女性は言う。

とはいえ、ネット上ではごまかしも利く。古い領収書の写真を送ったり、1回の寄付で何点ものヌード写真を手に入れるずるい男たちもいる。対策としてレイラは「宛名の一部、少なくともファーストネームが見え、日付と時刻も入った領収書の写真を送るよう求めている」と話す。

(セックスワーカーだから) バカだろうと、なめられているようだけど、私たちは協力し合ってちゃんとチェックしている」と、ジューシー。ワードが言う100万ドルはともかく、ジューシー自身は約3000ドルを集め、ハッシュタグを通じて交流のある仲間全体で3万ドルは集めたという。

支援機関は「不適切」と見なしたソースからの寄付を断る場合があると、ニューヨーク・タイムズは指摘している。

だがジューシーらは、自分たちの活動に誇りを持っている。ツイッター上では彼女たちを「一糸まとわぬヒロインたち」と呼び、「セックスワーカーは誰よりも環境のために奮闘している」と称賛する声が飛び交っているとか。

「たった2人でもいい。私たちの活動を知ってセックスワーカーに対する見方を変える人がいたら、やったかいがある」と、ジューシーは言う。

それにコアラにとって全裸は「不適切」でもない。

©2019 The Slate Group


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