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ブラジル環境問題と貧困は「1日おきのうんち」で解決する ブラジルの暴言大統領
Adriano Machado-REUTERS
「ブラジルのトランプ」と呼ばれ、同性愛者や女性などへの差別的発言でしばしば注目を集める、ジャイル・ボルソナロ大統領。今年5月に行われた記者会見の場で、「ペキニニーニョ(ちっこい)」という日本人を表す人種差別的ジョークの言葉を使ったことも問題になった。
国家指導者という立場在る者の暴言や問題発言は悩ましい。そしてまた、ボルソナロの「暴言」が話題になっている。
「うんちは1日おきで」
米FOXニュースなど、複数メディアが報じるところによると、8月9日の記者会見でボルソナロは記者から質問を受けた。質問の内容は、アマゾンの熱帯雨林で進む森林伐採、経済低迷による国民の貧困、そして環境保全を同時に解決できるかというもの。
これに対し、ボルソナロはこう答えた。
「(人間は)少し食べるだけで十分だ」と。続けて、「一日おきにうんちするだけで十分だ」と、山積する国内経済や環境問題に、かなり端的に解決策を提示した。
1日おきの排泄による影響を考察するメディアまで
この発言は、にわかに注目を集めた。ニュースサイト「INSIDER」はボルソナロの発言から、「1日おきにうんちをしたら人間の体はどう機能するか」と題した記事を掲載している。
消化器専門医であるジェニファー・インラ医師は「ある人は1日に3回排便するかもしれないが、ある人は週に3回しか排便しないかもしれない」とコメントし、うんちの頻度に個人差があることを丁寧に説明。ボルソナロの提案が環境問題にどう影響を及ぼすかは明らかではないが、人体の「働き」まで考慮された提案ではなかったと、INSIDERは報じている。
7月の世論調査では、ボルソナロの政権運営について「悪い」「最悪」と答えた人の合計は、4月の30%から33%に上昇。「良い」「最高」としている、33%と並んだ。進まない景気対策と年金制度改革のせいで支持率は低迷しており、対応は急務だ。FOXニュースは今回のボルソナロの「一日おきにうんちするだけで十分」という言葉が「皮肉かどうかは定かでない」としているが、皮肉でなかった場合、それこそ危機だろう。
【参考記事】「ブラジルのトランプ」も醜聞で苦戦中
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