最新記事

ブラジル

環境問題と貧困は「1日おきのうんち」で解決する ブラジルの暴言大統領

2019年08月19日(月)19時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

Adriano Machado-REUTERS

「ブラジルのトランプ」と呼ばれ、同性愛者や女性などへの差別的発言でしばしば注目を集める、ジャイル・ボルソナロ大統領。今年5月に行われた記者会見の場で、「ペキニニーニョ(ちっこい)」という日本人を表す人種差別的ジョークの言葉を使ったことも問題になった。

国家指導者という立場在る者の暴言や問題発言は悩ましい。そしてまた、ボルソナロの「暴言」が話題になっている。

「うんちは1日おきで」

FOXニュースなど、複数メディアが報じるところによると、8月9日の記者会見でボルソナロは記者から質問を受けた。質問の内容は、アマゾンの熱帯雨林で進む森林伐採、経済低迷による国民の貧困、そして環境保全を同時に解決できるかというもの。

これに対し、ボルソナロはこう答えた。

「(人間は)少し食べるだけで十分だ」と。続けて、「一日おきにうんちするだけで十分だ」と、山積する国内経済や環境問題に、かなり端的に解決策を提示した。

1日おきの排泄による影響を考察するメディアまで

この発言は、にわかに注目を集めた。ニュースサイト「INSIDER」はボルソナロの発言から、「1日おきにうんちをしたら人間の体はどう機能するか」と題した記事を掲載している。

消化器専門医であるジェニファー・インラ医師は「ある人は1日に3回排便するかもしれないが、ある人は週に3回しか排便しないかもしれない」とコメントし、うんちの頻度に個人差があることを丁寧に説明。ボルソナロの提案が環境問題にどう影響を及ぼすかは明らかではないが、人体の「働き」まで考慮された提案ではなかったと、INSIDERは報じている。

7月の世論調査では、ボルソナロの政権運営について「悪い」「最悪」と答えた人の合計は、4月の30%から33%に上昇。「良い」「最高」としている、33%と並んだ。進まない景気対策と年金制度改革のせいで支持率は低迷しており、対応は急務だ。FOXニュースは今回のボルソナロの「一日おきにうんちするだけで十分」という言葉が「皮肉かどうかは定かでない」としているが、皮肉でなかった場合、それこそ危機だろう。

【参考記事】「ブラジルのトランプ」も醜聞で苦戦中

20190827issue_cover200.jpg
※8月27日号(8月20日発売)は、「香港の出口」特集。終わりの見えないデモと警察の「暴力」――「中国軍介入」以外の結末はないのか。香港版天安門事件となる可能性から、武力鎮圧となったらその後に起こること、習近平直属・武装警察部隊の正体まで。また、デモ隊は暴徒なのか英雄なのかを、デモ現場のルポから描きます。


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    「男性に守られるだけのヒロイン像」は絶滅?...韓ド…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    韓国のキム・ジヨンに共感する、日本の佐藤裕子たち..…

  • 4

    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…

  • 5

    韓国Z世代の人気ラッパー、イ・ヨンジが語った「Small …

  • 1

    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…

  • 2

    タンポンに有害物質が含まれている...鉛やヒ素を研究…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    「ショート丈」流行ファッションが腰痛の原因に...医…

  • 5

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ヨルダン皇太子一家の「グリーティングカード流出」…

  • 2

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 3

    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…

  • 4

    キャサリン妃の「結婚前からの大変身」が話題に...「…

  • 5

    韓国Z世代の人気ラッパー、イ・ヨンジが語った「Small …

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:トランプ新政権ガイド

特集:トランプ新政権ガイド

2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?