最新記事

アメリカ政治

弟ブッシュがついに大統領選へ始動?

父と兄に続きジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事の出馬に期待が高まっている

2014年10月20日(月)12時29分
ゾーイ・ミンツ

思案中 出馬の可能性は「50%以上」との声もあるが Andy Jacobsohn/Getty Images

 ジョージ・W・ブッシュ前大統領の弟ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が、16年の大統領選の共和党候補指名争いに参戦か──。

 10月23日にサウスカロライナ州で開かれるパーティーに出席するのは、その合図かもしれない。再選を狙う同州のニッキー・ヘイリー州知事のための資金集めパーティーだが、ブッシュは注目の的になるはずだ。1万ドルの寄付を約束すればブッシュとの懇談会に参加できる特典もある。

 それより少ない額でも、ブッシュとのレセプションや写真撮影が用意されている。サウスカロライナは共和党予備選の序盤州で、昔から共和党の大統領候補にとって重要な州だ。

 専門家はブッシュの動向を注視している。友人らによればブッシュは11月の中間選挙後に決断を下す考えで、以前から重視する教育・移民政策以外の分野でも予習に余念がないという。

「ブッシュ家の人々と話した感触からすれば、出馬の可能性は50%以上だと思う」とブッシュの支持者で、ブッシュ前政権時代に退役軍人省長官を務めたジム・ニコルソンは語った。側近の話ではブッシュが懸念しているのは家族のことだ。妻コルンバは政治も脚光を浴びることも好きではないらしい。

ロムニーの二の舞になる可能性も

 ブッシュ自身、今は政治家としての将来よりもビジネスのほうに関心があるのかもしれない。ブッシュが会長を務めるフロリダ州のプライベート・エクイティ(未公開株)ファンドは、過去3年間で国内外の投資家から6640万ドルを調達した。

 出馬する場合は納税額を公表し、07年の州知事退任以降のビジネス活動について明らかにしなければならず、ありがたくない注目を浴びる可能性もある。12年の共和党予備選の際に脱税疑惑で泣かされたロムニー前マサチューセッツ州知事と似たような運命だ。出馬についてブッシュの広報担当者は、ブッシュは現在「大統領候補ではなく実業家」だとコメントしている。

 それでも「多くの人が父の出方を見守っている」と次男のジェブ・ブッシュJr.は言う。「出馬を求める圧力は大きい」

[2014年10月 7日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

尹大統領の逮捕状発付、韓国地裁 本格捜査へ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 10
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中