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移民

グリーンカード目当ての投資条件を引き上げよ

2014年8月28日(木)17時10分
ジョーダン・ワイスマン

 EB-5による開発事業が大きな経済効果を生むかは大いに疑わしい。投資家は利益目的ではなく、永住権の取得のために資金を投じるため、投資案件を慎重に考慮しない傾向がある。そのため投資案件の中には実態が疑わしいものも入り交じり、開発事業が計画倒れに終わったケースがあるばかりか、投資詐欺も多発している。シカゴにLEED(グリーン建築規準)認証を得たホテルと会議センターを建設するとして、巨額の資金を集めた詐欺グループが、米証券取引委員会(SEC)に提訴されたケースもある。

 一方で、実際に地域振興に役立っているケースも多い。特に、財政難にあえぎ、公債発行による資金調達もままならない自治体にとっては、EB-5の資金は大きな救いで、EB-5事業で空港が建設されたケースもある。全体として、大枚をはたいてでも永住権が欲しいというニーズが急増しているのだから、移民局はこの際「値上げ」に踏み切って、余った資金は開発事業の追跡調査に回してはどうか。現在は失業率が高い地域では50万ドル、それ以外の地域では100万ドルの投資を行うことが永住権取得の条件だが、今どきの新興国の富裕層にとって、この程度の金額ははした金だ。2倍、いや、いっそ3倍に上げたらどうか。需要と供給のメカニズムがすべてをうまく解決してくれるはずだ。

© 2014, Slate

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