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新興国QE3縮小の犠牲:インドルピー最安値
成長減速と物価上昇の経済不振に米緩和縮小が重なって売られるインド通貨
ルピー安 政府もルピー安に効果的な対策を打ち出せない Adnan Abidi-Reuters
インド通貨ルピーに対する投資家の信頼が急速に失われている。インドルピーは19日、対米ドルで記録的な安値を更新した(20日も最安値を更新)。さらに国債利回りも5年ぶりの高水準を付けた。
インド準備銀行(中央銀行)と政府によるルピー強化の対策は、1ドル=62.70ルピーと安値を記録していることからも、うまくいっていないようだ。今年、インドルピーはドルに対して12%も下落しており、アジアの通貨の中で最悪のパフォーマンスを記録している。
通貨が下落したことで、10年債利回りも0.35%上昇して9.23%になった。これは需要が弱まるサインだと言える。
インドのような新興市場は、今後数カ月にFRB(米連邦準備理事会)が月間850億ドル規模の月間の国債買い入れを削減し始めるという予測によって大きな打撃を受けている。
経済状況が不透明な時期には、安全な通貨と見られている米ドルに対する需要が高まるものだ。 ただルピー安については、国内の要因も加わっている。
投資家は、鈍い成長率と消費者物価が上がっていることで、アジア第3位の経済を誇るインドの経済的な先行きに不安を感じている。
最近の調査では、工場などの国内の生産を評価する6月の工業生産高は、1年前から2.2%減少している。
7月の消費者物価も、前年比で9.64%高まり、一方で2012-13年度の経済成長率はここ10年で最低の5%に落ちた。
From GlobalPost.com特約