「AIは電力を食う」グーグル元CEOが語る解決策...日本の原発に託された期待

2024年12月24日(火)14時00分
エリック・シュミット(グーグル元CEO)

AI関連企業にとっての最優先課題は十分な電力の確保だが、民間企業にできることには限りがあり、政府の支援は欠かせない。AI革命を推進するための持続可能な電力供給源の整備はアメリカの国益にかなうばかりか、医療や教育、科学、安全保障といった重要な分野に大いなる改善をもたらし、世界にとっても利益になるはずだ。

電力不足によりAI開発が不発に終わるのを座視したりすれば、それは国家による自傷行為だ。将来の需要増が明らかなのだから、アメリカ政府は今のうちに手を打たなければならない。データセンターのエネルギー需要が2倍になるその前に、アメリカはエネルギー供給を少なくとも倍増させなければならない。


プリンストン大学の研究によれば、アメリカが50年までに経済の脱炭素化を実現するには送電システムの性能を3倍にする必要があるかもしれないという。ならば、電力インフラの近代化に投資すればいい。

だが現行の複雑で時間のかかる認可プロセスが、グリーンエネルギー化の足かせとなっているばかりか、AIの進化にも暗い影を落としている。新しい送電線を建設するのに、計画から認可、土地の取得と建設に平均10年かかるような現状を変える必要がある。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国が米に対話呼びかけ、追加関税発動で

ビジネス

仏クレディ・アグリコル、第4四半期は27%増益 予

ビジネス

ノボノルディスク、25年売上高伸び鈍化を予想 「ウ

ビジネス

焦点:トランプ関税で守りに入る投資家、全面貿易戦争
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギー不足を補う「ある食品」で賢い選択を
  • 2
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわた…
  • 5
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 6
    中国AI企業ディープシーク、米オープンAIのデータ『…
  • 7
    脳のパフォーマンスが「最高状態」になる室温とは?…
  • 8
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 9
    AIやEVが輝く一方で、バブルや不況の影が広がる.....…
  • 10
    DeepSeekが「本当に大事件」である3つの理由...中国…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 6
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 9
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 10
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 10
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中