最新記事

宇宙

ロシア、衛星破壊は成功と発表 ISSなどの宇宙活動への悪影響否定

2021年11月17日(水)10時29分
宇宙ゴミに襲われる国際宇宙ステーション(ISS)のイメージ図

ロシアが実施した衛星破壊実験によって大量の宇宙ゴミが発生し、国際宇宙ステーション(ISS)を危険にさらした。画像はイメージ図 MSNBC / YouTube

ロシア政府は16日、古い人工衛星を破壊する実験を行い、「極めて正確」な攻撃で成功させたと発表した。大量の破片が発生して宇宙活動を危険にさらしたとの米英などの批判は否定した。

米政府当局者は、ロシアが15日に実施した実験によって地球の低軌道上に大量の宇宙ゴミが発生し、国際宇宙ステーション(ISS)を危険にさらしたと非難。

北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、実験は無謀で、ISSと軌道上を周回する中国の衛星に脅威をもたらしていると批判した。ロシアが新たな兵器システムを開発していることも示されたとした。英政府報道官もロシアの実験を非難し、宇宙空間での「責任ある行動」に関する国連での協議に参加するよう求めた。

ロシア国防省は実験で発生した破片はISSに脅威をもたらしてはおらず、米政府もこれを知っているはずだと指摘。

ロシア通信(RIA)によると、ショイグ国防相は「有望なシステムの実験に成功した。古い衛星を極めて正確に撃墜した。実験で発生した破片は宇宙活動に脅威をもたらしてはいない」と述べた。 

撃墜した衛星は1982年から地球を周回していた運用停止後の衛星「ツェリーナD」だったと明らかにした。

同省は、米国、中国、インドも過去に同様の実験を行ったと指摘した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ロシアが実施した衛星破壊実験によって大量の宇宙ゴミが発生し、国際宇宙ステーション(ISS)を危険にさらした。 MSNBC / YouTube

【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

アングル:保護政策で生産力と競争力低下、ブラジル自

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏

ワールド

米、クリミアのロシア領認定の用意 ウクライナ和平で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 4
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 7
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 8
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 9
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 10
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中