国内初の紙パック飲料水「ハバリーズ」で徹底的に環境負荷軽減...貴重な水資源を未来へ、容器はトイレットペーパーに
再生可能な紙容器を使用。3サイズ展開のハバリーズジャパンナチュラルウォーター(左から200mL,330mL,1000mL)
<昨今、人口増加や開発途上国の経済成長、気候変動などの影響から、世界中で水不足をはじめ水資源の問題が深刻化している。雨や雪の多い日本だが、実は他人事ではない。この課題と向き合い、水源を所有する立場からアクションを起こしているのが株式会社ハバリーズだ。紙パックの飲料水に端を発する、環境負荷低減や水源保全の取り組みとは──>
世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。
環境負荷低減を徹底して追求
水は人間が生きていくために欠かせない資源だ。雨や雪の多い日本は水資源の問題とは無縁なようにも思えるが、急峻な地形を短い河川が流れるために淡水を貯めにくく、一人当たりの水資源量は世界の平均を下回っている。また、食料の多くを輸入に頼っており、それらを生産する際に他国が費やした水を間接的に消費しているとも言える。
京都市に本社を置く株式会社ハバリーズは、「1本の水から世界が変わる」を信念に掲げ、貴重な国内の水資源を未来の世代に承継する事業を展開している。事業の柱となっているのは、国内初のサステナブルな紙パック飲料水として2020年に発売開始した「紙パックナチュラルウォーター」だ。
この製品には、国内4カ所の水源からカーボンフットプリントが低い方法で調達した天然水を使用。パッケージにFSC認証(*1)取得の再生可能紙素材、キャップにボンスクロ認証(*2)取得のサトウキビ由来のポリエチレンを用い、物流サプライチェーン全体での環境負荷が低い輸送効率で配送するなど、環境負荷の軽減を徹底した商品となっている。
*1:持続可能な方法で管理された森林の木材チップのみを原料調達している証明
*2:サトウキビの生産や供給を持続可能なサイクルで行っている証明
さらに、飲み終わった後の紙容器は回収して、ゼロエミッション工場で100%リサイクルされ、トイレットペーパーへと生まれ変わる。リサイクルの過程で排出されるアルミフィルムや残渣は熱エネルギーや建材料として再利用され、使用した水は完全に浄化処理したうえで川に放流。サーキュラーエコノミー(循環型経済)に貢献するシステムを構築することに成功した。結果として、2020年の製品発売から現在までに約110万トンのCO2削減を達成している。