最新記事
環境問題

世界の小麦生産量が9年ぶりの低水準...干ばつや霜害など天候不順が打撃

2024年10月10日(木)19時10分
小麦

10月10日、天候不順により世界の主要小麦輸出国の生産が減少し、9年ぶりの低水準に落ち込むと既に見込まれている在庫がさらに切り下がっている。写真は6月、仏トリゲールで撮影(2024年 ロイター/Benoit Tessier)

天候不順により世界の主要小麦輸出国の生産が減少し、9年ぶりの低水準に落ち込むと既に見込まれている在庫がさらに切り下がっている。需給逼迫懸念で価格は足元で上昇している。

南半球のアルゼンチンやオーストラリアといった主要輸出国は干ばつや霜害で減産となり、ロシアやウクライナ、米国といった主要産地は少雨で作付けに支障が生じている。ロシアがこのほど黒海で穀物輸送船を攻撃したことを受け、ウクライナ情勢を巡る供給不安が再燃している。


 

IKONコモディティーズの助言サービス責任者、オレ・ホウエ氏は「小麦市場は逼迫度合いが強まっており、さらに悪化するだろう」と予想した。

米農務省のデータによると、世界の2024─25年度の期末小麦在庫は2億5722万トンと、9年ぶりの低水準を付ける見込み。ロイター調査のアナリストは11日に在庫見通しが2億5614万トンにさらに引き下げられると予想した。

同年度の世界の小麦生産量は過去最高の7億9688万トンとなる見通しだ。

ロシアのルート農相は今週、同国の生産地は遅霜の発生に続き、4月以降は干ばつの被害を受けていると述べた。

東南アジアの現物市場で取引される黒海地域の小麦は1トン当たり約280ドルと、1カ月前の265ドルから上昇。

シカゴ先物市場の小麦は先週、4カ月ぶりの高値を付けた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中