観光資源の価値をさらに高める「光」の力...パナソニックの照明技術が「地方」の魅力を照らし出す

パナソニックの街演出クラウド「YOI-en」イメージ
<さいたま市で開催された「THE盆栽 小宇宙の旅」で、幻想的な光景を生み出したパナソニックの街演出クラウド「YOI-en」>
世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや製品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。
幅広い分野にまたがって持続可能な世界を目指すSDGsでは、17の目標のうちの1つとして「住み続けられるまちづくりを」というものが掲げられている。これは、安全な家に安い値段で住めるようにすることから、持続可能なまちづくりを計画・実行することまで、地域の維持や発展を目指す目標だ。
「盆栽のメッカ」で実施された初の試み
地域の文化的・経済的な価値を守る取り組みとして今年、ユニークなイベントが埼玉県さいたま市で行われた。日本唯一の盆栽専門美術館、さいたま市大宮盆栽美術館で12月10日まで開催されていた、夜間特別ライトアップイベント「THE盆栽 小宇宙の旅」だ。
さいたま市には「大宮盆栽村」と呼ばれるエリアがあり、日本の伝統産業であり文化でもある盆栽のメッカとなっている。例年5月には「大盆栽まつり」が開催され、国内外から愛好家が集う。
今回の「THE盆栽 小宇宙の旅」は、ライトアップという通常とは異なる見せ方で、海外からのインバウンド観光客を含め、より多くの人に盆栽の魅力を知ってもらうため企画された。同美術館にとっても、初の試みとなるイベントだ。
そこでライトアップのシステムとして導入されたのが、照明器具のリーディングカンパニーであるパナソニックの「YOI-en(ヨイエン)」だった。ライトアップは通常、現場で照明を制御する必要があるが、同社が「街演出クラウド」と呼ぶこのシステムは、インターネット経由で遠隔地から制御できる。広域・多拠点にわたる多彩な照明演出も可能な、「街あかり」のクラウド型サービスだ。
今回パナソニックは、美術館の庭園全体に各種の照明を配置。「盆栽×宇宙」をテーマに、伝統的で温もりを感じる電球色をはじめ、四季それぞれの色彩を表現した演出、そして秋を代表する星座であるアンドロメダ座も浮かび上がる宇宙の計6シーンを各90秒にわたって表現した。
また今回のイベントでは、「YOI-en」を使った来訪者向けの体験型コンテンツ「YOI-iro(ヨイイロ)」も複数用意された。
そのひとつが、庭園全体を見渡す美術館2階のテラスから楽しめるパノラマ演出だ。体験者がスマートフォンで2次元コードを読み取り、アプリ内で自身の誕生日を入力すると、12色あるパターンの中から誕生日カラーが選ばれ、庭園全体のライトアップが体験者だけの特別なものとなる(20秒間)。
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