年金は何歳から受給するのが正解? 早死にしたら損だから早めにもらおう、という人の「残念な勘違い」
3つの保障がついている
公的年金が提供する安心のメインは「長生きリスク」をカバーする所得保障です。これは「老齢年金」と呼ばれ、原則として65歳から死ぬまで受け取ることができます。
そのほかにも公的年金には「障害年金」「遺族年金」という2つの保障がついています。
障害年金は、65歳になる前に病気やケガで障害状態になると受け取れます。民間の保険でいえば傷害保険に似ていますね。
遺族年金は、一家の大黒柱が亡くなったとき、残された配偶者や子どもなどに支給されます。これは民間の生命保険のような役割です。
「高額の生命保険は不要」と断言できるワケ
死ぬまでの所得保障のほかに、「障害」や「死亡」まで一度にカバーしてくれる保険は民間保険会社にはありません。
障害年金は、それほど使わないのではないかと思うかもしれません。しかし、会社員が加入する厚生年金は、軽度の障害でも手当が支給されます。しかも、障害の原因となった病気やケガの種類は問われません。視覚、聴覚、手足といった外部障害にかぎらず、がん、糖尿病、心疾患などの内部障害やうつ病、認知症などの精神障害も対象です。
※『役所や会社は教えてくれない! 定年と年金 3つの年金と退職金を最大限に受け取る方法』(ART NEXT)より
遺族年金もまたかなり手厚い保障です。たとえば、夫30歳、妻30歳で3歳と1歳の子どもがいる家庭で、夫が亡くなった場合、遺族年金はいくらもらえると思いますか? 若くして亡くなると保険料をあまり納めていません。それでも妻は、65歳になるまで総額で5000万円以上の遺族年金が受け取れます。これだけあれば、夫が高額な生命保険に入っていなくても、遺された家族は新しい生活に踏み出せるのではないでしょうか。
※『役所や会社は教えてくれない! 定年と年金 3つの年金と退職金を最大限に受け取る方法』(ART NEXT)より
「年金は貯蓄」という勘違いがあなたの年金額を減らす
公的年金を「貯蓄」と思い込んでいると、「いつ死ぬかわからないから、早くもらったほうが得だ」という発想になってしまいます。
その誤解こそが、年金を減らしてしまう原因です。