最新記事

メンタルヘルス

「先延ばし」グセがある人が、目をそらし続ける3つの「問い」

2023年1月26日(木)13時09分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

たとえば、「バリバリ仕事をこなすのを後回しにするのは、家族と過ごす時間を増やすための賢い選択だ」と言う人もいるだろう。本当にそうなのか? この主張が正しいかどうかは、あなたがどういうタイプの人間かによって決まる。

家庭や地域社会の人間関係を大切にしたい人にとっては、そのために仕事の課題を犠牲にするのが確かに賢明だ。しかし、仕事優先の人生に生き甲斐を感じる人が同じことを言う場合は、ただの言い訳にすぎないのではないか。

先延ばしをする人間はたいてい、言い訳が必要な事態になることをそもそも想定していない。幸運の女神がほほ笑んでくれるはずだと、当てにするのだ。

先延ばし人間は完璧主義者ではない

せめてもの気休めは、この悪癖に悩まされているのがあなただけではないということだ。先延ばしは、朝にコーヒーを飲むのと同じくらい、ありふれた行動パターンだ。

さまざまな調査によると、95%くらいの人は、ものごとを先延ばしするときがあると自分で認めている。およそ4人に1人は、先延ばしが慢性化して自分の特徴の1つになっていると答えている。

人々の目標達成を助けるために各自が自分の目標を公表する場を用意しているウェブサイトを見ても、「先延ばしをやめる」ことを目標に掲げる人がきわめて多い。問題が蔓延している証拠に、先延ばしはジョークの定番のネタにもなっている。

締め切りに遅れた言い訳のパターンには事欠かないが、最高傑作は作家のドロシー・パーカーの言葉かもしれない。雑誌ニューヨーカーの編集者ハロルド・ロスから原稿を督促されたとき、パーカーは憂いをたたえた黒い瞳で相手を見つめて、いかにも心苦しくてたまらないという様子でこう言った。

「誰かが鉛筆を使っていたので、書けなかったの」

先延ばし癖と無縁の職種は考えづらいが、この悪癖がことのほかひどいのは物書き業かもしれない。

ミステリの女王、アガサ・クリスティも遅筆で有名だった。カナダ文学界の重鎮マーガレット・アトウッドは、「昼過ぎまでぐずぐずしていて執筆が進まず、午後3時頃になって、不安に駆られて猛烈な勢いで書きはじめる」ことが多いと白状している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中