最新記事

メンタルヘルス

「先延ばし」グセがある人が、目をそらし続ける3つの「問い」

2023年1月26日(木)13時09分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
先延ばし

diego_cervo-iStock

<およそ95%の人が先延ばしすることがあるといい、約25%の人が慢性化しているという調査がある。性別、年齢、職業、婚姻の有無など、先延ばししやすい人の傾向とは?>

先延ばしは遺伝要素があるとはいえ、環境要因も大きい。「先延ばし研究」の世界的権威が、DNA解析、脳科学、進化生物学、心理学など膨大な研究をメタ分析し、人類永遠の課題を科学的に解き明かした『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』(CCCメディアハウス)より抜粋。

◇ ◇ ◇


誓うのはけっこうだが、問題が1つある

先延ばしは一種の癖だ。簡単には克服できない。私たちには、ものごとが遅れている状態を改めようとするのではなく、言い訳を見つけようとする習性がある。自分を欺くことと先延ばしは、コインの表裏の関係にある場合が多い。

「できないこと」と「やらないこと」の境界線が曖昧なのをいいことに、課題の実行を妨げる障害を実際以上にふくらませて考えて、先延ばしを正当化しようとする。

「風邪で体調が悪いので」とか、「花粉症の薬を飲むと眠くなるので」とか、「友達が大ピンチだったので、それどころでなくて」などと言い訳する。もっとひどい場合は、「マジかよ。こんなことになるなんて、聞いてなかったよ」と開き直って、責任逃れをしようとする。

予測不可能な事態が発生した以上、こんなことになったのは自分のせいでない、という理屈だ。たとえばあなたは、直近に先延ばしした課題について、以下の問いにどう答えるだろうか。


・課題の実行に、こんなに時間がかかると予想していたか。
・予定より遅れた場合に、こんなにひどい結果を招くと予想できたか。
・土壇場でほかに非常事態が起きて、そっちに時間を奪われると予想できたか。

正直に答えるのであれば、答えはたぶん「イエス」だろう。すべて予想の範囲内だったはずだ。しかし、正直になるのが難しいのでは? そこに、この問題の手ごわさがある。ときには、破滅的な先延ばしを思慮深い選択にすり替えて正当化する人もいる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、1カ月半内にサウジ訪問か 1兆ドルの対

ビジネス

デフレ判断の指標全てプラスに、金融政策は日銀に委ね

ワールド

米、途上国の石炭からのエネルギー移行支援枠組みから

ビジネス

トランプ氏、NATO加盟国「防衛しない」 国防費不
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
2025年3月11日号(3/ 4発売)

ジャンルと時空を超えて世界を熱狂させる新時代ピアニストの「軌跡」を追う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 2
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない、コメ不足の本当の原因とは?
  • 3
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎」が最新研究で明らかに
  • 4
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行…
  • 5
    一世帯5000ドルの「DOGE還付金」は金持ち優遇? 年…
  • 6
    強まる警戒感、アメリカ経済「急失速」の正しい読み…
  • 7
    イーロン・マスクの急所を突け!最大ダメージを与え…
  • 8
    定住人口ベースでは分からない、東京23区のリアルな…
  • 9
    テスラ大炎上...戻らぬオーナー「悲劇の理由」
  • 10
    34年の下積みの末、アカデミー賞にも...「ハリウッド…
  • 1
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天才技術者たちの身元を暴露する「Doxxing」が始まった
  • 4
    アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政…
  • 5
    ニンジンが糖尿病の「予防と治療」に効果ある可能性…
  • 6
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Di…
  • 7
    イーロン・マスクの急所を突け!最大ダメージを与え…
  • 8
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 9
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 10
    ボブ・ディランは不潔で嫌な奴、シャラメの演技は笑…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 10
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中