「先延ばし」グセがある人が、目をそらし続ける3つの「問い」
テレビのニュースキャスターにも、先延ばし癖の持ち主がいる。アメリカの大物キャスター、テッド・コッペルはこう述べている。
「子供の頃、ぎりぎりまで課題に取りかからず、両親や先生によく叱られたものです。いまは、それが私の魅力と思ってもらえているようですが」
しかし、残念なお知らせがある。どの職業にせよ、先延ばし癖がある人はそうでない人に比べて、失業中だったり、本人の希望に反して非正規の職にしか就けていなかったりする確率が高い。
先延ばし人間は男性にも女性にもいるが、男性のほうがやや多数派だ。筋金入りの先延ばし人間を100人集めると、統計上は、男性が54人、女性が46人という構成になる。つまり、男女で「先延ばしカップル」をつくると、8人の男性が相手にあぶれる計算だ。
また、先延ばし人間には、既婚者より未婚者が多い。その半面、離婚経験のある人よりは、配偶者と別居中の人が多い。こと結婚に関しては、先延ばし人間は、始めることも先延ばしするし、終わらせることも先延ばしする傾向があると言えるかもしれない。
先延ばしは年齢とも関連がある。小学校に入ってから老人ホームに入るまで、年齢を重ねて人生最後にして最大のデッドラインに近づくにつれて、私たちはだんだん先延ばしをしなくなる。人間が身体的に成熟するにつれて、人格の面でも成熟するのは、納得のいく話だ。
興味深いデータではある。しかし、この種の国勢調査的な情報は、ある人物が先延ばし癖の持ち主かどうかを判定するうえでは大して役に立たない。心理学的な側面に着目するほうが有効だ。
実は、ものごとを先送りしがちな人に共通する心理学的な特徴がある。ただしそれは、あなたが思ってもいない要素かもしれない。
『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』
ピアーズ・スティール[著]池村千秋[訳]
CCCメディアハウス[刊]
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