200万円で買った会社が月8万円以上の利益に 楽に稼げる会社と絶対買ってはいけない会社、見分けるポイントとは
買いやすいビジネスモデル④:資金繰りのいい会社
経営で大切なのは、なんといっても資金繰り。資金繰りがいいかどうかはしっかりと意識して確認しましょう。
仮に売り上げが拡大したとしても、売り上げを回収するよりも仕入れ先への支払いが先であれば、資金繰りはよくはなりません。
こういうビジネスモデルでは黒字倒産ということもあり得ます。
一方、売り上げの回収は早くて、仕入れ先や外注先への支払いは後でいい、というビジネスは、資金繰りに困ることも少ないので買いやすいといえるでしょう。
Apple型ビジネスが最強であるワケ
「資金繰りのいい会社」の最たる例が、Appleが行っているようなBtoCの受注生産モデルです。
先にお金をもらってから、製品を製造して発送するという流れですから、製造にかかる費用は後に発生します。原材料などの仕入れが先に発生する可能性はありますが、それでも資金繰りはかなりよいモデルです。それに、商品在庫を持たなくて済むというメリットも大きなものです。
飲食店も、飲食を提供したときにお金が入ってくるのに対して、食材や酒のように問屋から仕入れるものに関しては、まとめて後払いができるので、資金繰りはいいといえます。
ただ、この資金繰りのよさが逆に仇(あだ)となるケースがあることも覚えておいてください。というのも、支払いがずっとあとだと、経営者は売り上げを自分のお金だと思って使ってしまい、いざ支払おうとしたら現金がない、ということになりがちです。
「買いやすい会社」を見抜く4ポイント
以下のようなポイントを見れば、その会社が買いやすいビジネスモデルかどうかを見極めることができます。
①売り上げが安定しているか
②利益率が高いか
③ROEが高いか
④資金繰りがよいか
これら4つは、よい会社かどうかを評価するうえでの必須の確認ポイントだとしっかり覚えてください。
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』では、個人が会社を買うための最新情報をふんだんに盛り込んでいます。同書も参照しながら、ぜひ「サラリーマン資本家」への道を進んでください。
三戸政和(みと・まさかず)
事業投資家、ラジオDJ
1978年兵庫県生まれ。同志社大学卒業後、2005年ソフトバンク・インベストメント(現SBIインベストメント)入社。ベンチャーキャピタリストとして日本やシンガポール、インドのファンドを担当し、ベンチャー投資や投資先でのM&A戦略、株式公開支援などを行う。2011年兵庫県議会議員に当選し、行政改革を推進。2014年地元の加古川市長選挙に出馬するも落選。2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行っている。また、ロケット開発会社インターステラテクノロジズの社外取締役も務める。著書に『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』(以上、講談社+α新書)、『資本家マインドセット』(幻冬舎NewsPicks)、『営業はいらない』(SB新書)、『サラリーマンがオーナー社長になるための企業買収完全ガイド』(ダイヤモンド)、『サラリーマン絶滅世界を君たちはどう生きるか?』(プレジデント)などがある。また、InterFMにて、ベンチャービジネス番組「ビジプロ」のDJも務める。Twitterのアカウントは、@310JPN。