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論争を経て再評価へ? ハリー・ポッターの作者 J・K・ローリングと『文化戦争』の行方

Has J.K. Rowling Won the Culture War?

2025年1月16日(木)18時57分
ライアン・スミス(本誌エンターテインメント担当)

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ローリングには社会状況の変化も味方? MIKE MARSLANDーWIREIMAGE/GETTY IMAGES

HBOの広報は、ドラマに対するローリングの貢献は「計り知れず」、「彼女の関与は作品に利益しかもたらさないはずだ」と発言。トランスジェンダー問題についても「J・K・ローリングには個人的な意見を表明する権利がある」と述べた。

これまでファンの反発を恐れてローリングに関する発言を避けてきたWBDにしては、ずいぶんはっきりとしたお墨付きを与えたものだ。実はトランスジェンダーの人々の権利に関する文化的議論は最近、新たな局面を迎えている。


ローリングが、ジェンダークリティカル(性自認よりも生物学的な性を重視する考え方)な発言をしたために職を失った女性研究者を支持する姿勢を見せたのは2019年のことだ。ツイッターにローリングはこう書いた。

「着たいものを着ればいいし、好きな呼び方で自分を呼べばいい。でも(生まれ持った体の)性別は厳然たる事実だと言ったせいで、女性を職場から追い出すなんて」

20年にローリングは自らのウェブサイトで、トランスジェンダーの権利擁護活動への懸念や、トイレなど男女別のスペースの安全性、そして女性と女の子の権利についての文章を公開。

これに対し、性的少数者の権利を擁護する団体やファン、個人から「ローリングはトランス嫌悪だ」と批判の声が上がった。

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