エイズ撲滅のため差別や憎悪と闘い続ける──エルトン・ジョン
My Fight for Equality and Justice
人間としての尊厳を奪われ、レッテル貼りをされて、社会に貢献できる才能をつぶされた人たちは大勢いる。現状では、私たちは自分たちの未来を自分たちの手で破壊しているようなものだ。
政治的に便利なくくりである「私たち」と「彼ら」。この2つがにらみ合い、敵対する風潮が強まっている。民主主義そのものの存続が危ぶまれるなか、自由、平等、互いをリスペクトする姿勢など、民主主義的な価値が打ち捨てられようとしているのだ。
より豊かな未来のために
今の社会にはびこるレッテル──「私たち」「彼ら」「資格がない」「値する」といったレッテルを片っ端から剝ぎ取らなければならない。
そのために私たちは、取り残され、見捨てられた人々の支援に力を入れている。公衆衛生上の脅威としてのエイズ禍を終わらせるには、あらゆる場所のあらゆる人々に医療へのアクセスを保証する必要があるからだ。
それと同時に、世界各国の政府に働きかける必要もある。患者を差別しない医療システムを構築し、新たな医療技術の開発に投資して、その成果を広くシェアしてほしいと。何よりも各国の指導者に求められるのは、社会的な烙印や差別を助長する法律を撤廃し、異質な存在を白眼視するのではなく、多様性を謳歌する社会を実現することだ。