【インタビュー】LL・クール・J、11年ぶりの新作に込めた「ヒップホップへの愛」
Still Doin’ It Well
「当時ハーレムでつるんでいた連中のスタイルをまねた。あれは俺の発明ではないが、世間に広めたのは俺だ」と、彼は振り返る。
「RUN DMCのジャム・マスター・ジェイは俺のチェーンを見て、もっと太いのを買った。彼らの『マイ・アディダス』は俺の『アイ・キャント・リブ・ウィズアウト・マイ・レイディオ』にインスパイアされた曲だ。RUN DMCは特別に好きなグループだから、愛を込めてこういう話をさせてもらう」
さらにLLは続ける。「『素晴らしき哉、人生!』を見たことはある? 俺がいなかったらヒップホップ界は衝撃的に違っていたはずだ」と言って笑う。引き合いに出した1946年の映画では自殺しようとする主人公の元に天使が訪れ、彼が世界に及ぼした影響の大きさを教える。
「だが自慢話は控えることにしている。そういうのはもうやりたくない。俺はただ感謝で胸がいっぱいなんだ」
パーティーでもラジオでも引っ張りだこのヒットを連発し、プラチナアルバムを次々と放ち、LLはヒップホップ界で正真正銘のスターとなった。さらにはロックの殿堂入りを果たし、文化・芸能への貢献をたたえるケネディセンター名誉賞にもラッパーとして初めて輝いた。