大坂なおみが語る「だから私は心の問題を訴えた」
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スポーツビジネスを扱うニュースサイトのスポルティコが開幕直前の5月25日に配信した記事によれば、なおみはスポンサー契約だけで過去12カ月に推定5000万ドルを獲得していた。
女性アスリートでは最高額。男性を加えても彼女の上にいたのはロジャー・フェデラー(テニス)、レブロン・ジェームズ(バスケットボール)、タイガー・ウッズ(ゴルフ)だけ。
それでもパリで5月26日の夜が更けるまで、彼女は特別に注目を浴びる存在ではなかった。
全てが変わったのは、その夜11時24分。なおみは今の気持ちをiPhoneのメモアプリに記し、ツイッター(現X)に投稿した。
今までも大きな大会が近づくとやってきたことだが、過去の投稿と違って今回はけんか腰とも言えるものだった。
みなさん。お元気ですか。
私がこのメッセージを書いているのは、全仏オープンの間は記者会見を受けないとお伝えするためです。
私はアスリートのメンタルヘルスへの配慮が足りないと感じることが、よくあります。
記者会見を見たり、参加したりするたびに、強く感じます。
会見では今まで何度も聞かれた質問や、自信を失わせるような質問をされることが多いのです。
私は、私のことを疑う人たちの前に身をさらしたくありません。
負けた後に会見場で泣き崩れるアスリートの映像を、たくさん目にしました。
みなさんも見たことがあるでしょう。
ただでさえ落ち込んでいる人をたたく場が、なぜ必要なのか分かりません。
記者会見に応じない理由は、大会に対する個人的な感情ではありません。
私が若い時から取材してくれている記者が何人かいて、その方たちの大半とは親しい関係にあります。
でも統括組織が「会見をしないなら罰金だ」と言い続け、組織にとって財産であるはずのアスリートのメンタルヘルスに無視を決め込むなら、もう私は笑うしかありません。
このことで高い罰金を科せられるでしょうが、それがメンタルヘルスに関するチャリティーに使われることを願っています。
ハグ&キッス✌🏿♥
なおみは自身の主張を裏付けるため、インスタグラムには宣言文に加えて過去の動画を2本アップした。
1つは、1994年に当時14歳だったビーナス・ウィリアムズのインタビューを父親のリチャードが遮っている動画。ABCニュースの記者が娘の不安をあおるような質問を繰り返すことが許せなかったのだ。
もう1本は、アメリカン・フットボールのマーショーン・リンチが2015年のスーパーボウル前の記者会見で、何を聞かれても「俺は罰金を科されないために、ここにいるんだ」と答えているものだ。