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元ジャニーズJr.の橋田康「問題と向き合う、事務所の決断を応援したい」

2023年10月12日(木)11時45分
大橋 希(本誌記者)

──「ジャニーズ性加害問題当事者の会」と一緒に行動していない理由はあるのか。

僕は中流階級以上の生活を補償で求めていないし、売上の3%を欲しいとも思っていない。この点でまず、当事者の会の人たちと僕の考えは同じではないです。

僕は僕の思う発言をして、それに対して多方面から誹謗中傷が来る。それは僕だけで受け止めるべき。僕のありのままの考えを出したせいで、誰かが傷付くのは嫌だった。だから当事者の会と行動を共にすると、自分の発言ができないと思ったんです。

 

──橋田さんらが求めていた児童虐待防止法の改正は、先の国会では見送りとなった。次の機会を待っている?

気持ちは残っています。ただ、僕は政治にあまり詳しくないし、どの党とのつながりも知識もない。だからできれば超党派で、少しでも多くの人が納得できるような形で子供たちが守られる法律を作れたらいいなと思っている。

今回のことは「外圧」でしか変わらなかった。BBCの番組から始まって、FCCJでの会見、国連の調査と、その都度で人々の関心が高まって、閉鎖的だったジャニーズ事務所を動かした。それは日本全体を投影している。外国で発表があったり、外国から恥ずかしいと言われたりしてやっと「やばい、やばい」ってなる。そういうのはもう止めましょうって思う。

政治の世界の人たちもこの問題に全く無関係だったかと言えば、そんなことはないはず。経済面でもエンターテインメント業界の存在は大きいので、国としてもこの問題に向き合ってほしい。外圧を受けて......というのを繰り返さないよう、今のタイミングで法律面でも動いてくれたら。

──組織ぐるみの問題が起きた時、被害者が求めることの一つに「何があったのか明らかにしてほしい」というのがあると思う。今はまだ誰が関わっていて、何があったのか完全には分かっていない。そこを解明すべきとは思わないか。

再発防止特別チームが提言した内容も、ある程度は解明につながっている。僕が注力したいのはこういうことが二度と起きない環境を作ること。そのために必要なのが解明だとしたら並行してやっていかなくてはいけないが、そこで停滞していてもしょうがない。僕が生きている間に何かが変わったところを見たいです。

もっと掘り下げればいろいろなことが分かってくると思う。ただ、何が隠蔽につながっていたか、何が報道されなかったことにつながっていたかは明白なので、そこに誰が関わったかは細かい肉付けに過ぎない。改善するために必要な材料はいっぱい揃っている。

──「ジャニーさんのことは今でも大好き」と言っていたが、それは変わらない?

変わらない。そこはぶれないです。彼の人間性やカリスマ性、エンターテイメントへの思いは尊敬しているし、性加害の問題を抜けば、彼のことは今でも好きだし、感謝している。ただ本当にあってはならないことを起こして、これだけの人たちが今も苦しんでいる。今後、同じことが繰り返されないようにジャニーズ問題、ジャニーズ事件の教訓がちゃんと引き継がれていくことを願います。

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