最新記事
世界が尊敬する日本人100

JでもKでもない「Xポップ」...国境なきガールズグループXGの正体

XG

2023年8月9日(水)15時00分
タシア・アシス(音楽ジャーナリスト)
XG

AFLO

<ほとんどの楽曲は英語でレコーディングされる。日本語や韓国語でも歌うが、主な目標は親しみやすく、全ての人に力を与える音楽を作ること。本誌「世界が尊敬する日本人100」特集より>

XG(エクストラオーディナリー・ガールズの略)は境界も限界も信じない。ジュリン、チサ、ヒナタ、ハービー、ジュリア、マヤ、ココナの日本人7人組は、昨年3月に「Tippy Toes」で世界デビュー。わずか1年余りで日本出身の最もエキサイティングな音楽グループの1つになっている。

【動画】XG「GRL GVNG」公式ミュージックビデオ

メンバーは、XGALXというプロジェクトの下で、1万3000人の候補者の中から慎重に選ばれ、日本と韓国で5年間にわたる厳しいトレーニングを受けた。

エグゼクティブ・プロデューサーで元KポップアイドルのJAKOPSの指導の下、希望に満ちた10代の少女たち(一番若い子は当時12歳)はダンスや歌、ラップを学び、世界中の観客を魅了する歌姫に変身した。

これまでの作品は公式シングル5曲とミュージックビデオだけだが、XGは既に確固たるファン層を築き上げている。ビジュアル的には2000年代のY2Kファッションと21世紀初頭のSFにインスパイアされており、その時代のR&Bビートに乗った楽曲はノスタルジックであると同時に未来的な躍動感がある。

楽曲のほとんどは英語でレコーディングされ、日本語や韓国語でも歌うが、主な目標は親しみやすく、全ての人に力を与える音楽を作ることだ。

XGは自分たちを「グローバル・グループ」と呼び、自分たちのサウンドを(JでもKでもない)「Xポップ」と定義している。つまり国境なきガールズグループだ。

TikTokで披露したラップ「GALZ XYPHER」で注目を集めた昨年に続き、今年はニューヨークやアブダビなど世界各地の音楽祭にも参加。多忙なスケジュールの中、9月27日には初のミニアルバム『NEW DNA』をリリース予定だ。先行公開された収録曲「GRL GVNG」で、彼女たちはこう歌う。「限界はない、不可能もない/どんな問題も/自分たちで解決できる」

XG
●ガールズグループ

自動車
DEFENDERの日本縦断旅がついに最終章! 本土最南端へ──歴史と絶景が織りなす5日間
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

米加首脳が電話会談、トランプ氏「生産的」 カーニー

ワールド

鉱物協定巡る米の要求に変化、判断は時期尚早=ゼレン

ワールド

国際援助金減少で食糧難5800万人 国連世界食糧計
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 6
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 7
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 8
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 9
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 7
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 8
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 9
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中