世界中の男性が日本のエロアニメに夢中になる理由とは?
4万年前の作とされる「ホーレ・フェルスのビーナス」は、もっと驚異的な胸とヒップ、そして巨大な陰唇の持ち主だ。画像共有サイト「ファンタスティ」では、ユーザーが投稿された画像のランク付けを行っている。
そのランキングで上位100位までに入った画像のうち、枚が女性の体のパーツのクローズアップで、顔はない。そのなかの1枚は、数百ものコメントを集めていた。裸の下半身の画像だ。
「そそられるぜ!」、「こういうのを最高傑作と言うんだよ」、「見事な下半身。さあ、またがろうぜ!」こんな熱いセリフが並んでいる。
もしオスのヒヒがしゃべれたなら、メスのお尻に向かって、甲高い声で、同じようなヤジを飛ばすにちがいない。男性向けのアダルトサイトには、体のパーツ専門のものがたくさんある。
「Daily Basis」には、女性のなまめかしいパーツがいろいろ揃っている。唇、つま先、お尻、まぶた、お腹、胸。このサイトは、まるでシュレッダーにかけたヴィクトリア・シークレットのカタログみたいだ。
「Boobpedia」はオンラインの巨乳百科事典で、1万近い巨乳についての詳細情報を載せている。その巨乳の持ち主であるモデルやセレブ、ポルノ女優についても、少量ではあるが情報を提供している。
「Mighty Fine Ass」では、「アマチュアが投稿したナイスなケツ、セクシーで丸いお尻」のランク付けが行われ、「Foot Fap」には、女性の足の画像が何百枚も並んでいる。たいていの女性は、こうした体のパーツの画像に魅力を感じない。
だが男性の脳は、性欲をかき立てるものを、細部にいたるまで注意深く観察する。そういうときの集中力は、ダイヤモンドカット職人のそれに通じるものがある。日本では、「絶対領域」という体のパーツがセクシーだとして大いにもてはやされている。
絶対領域のファンもかなりの観察家のようだ。絶対領域とは、女性のスカートとニーソックスとのあいだに見える素肌の太ももの部分のこと、あるいは、ミニスカートと太ももまでのストッキングのあいだの欲望をかき立てる部分のことだ。
絶対領域のファンが、ブログ「Anime Desho Desho」でこう説明している。
「ソックスとスカートは、たいてい肌より色が濃い。だから素肌には、暗いトンネルの先の光のような効果がある。素肌が華麗なオーラを放って、白く輝いている。チラリと見えるところがいいんだよ!」
男たちは女性の体のパーツにはこだわりがあるので、女性の体について真剣に分析的、数学的な調査に乗り出すことも多い。そして女性の体の「理想型」を決めたがる。
『性欲の科学──なぜ男は「素人」に興奮し、女は「男同士」に萌えるのか』
オギ・オーガス、サイ・ガダム[著]
坂東智子[翻訳]
CCCメディアハウス[刊]
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