世界中の男性が日本のエロアニメに夢中になる理由とは?
要するに、ネット上で一番人気のエロチックアートには、男の目を惹きつけるキューのすべてが、たっぷりちりばめられているのだ。これが、たくさんの男がアニメやマンガのキャラに性的興奮を覚える理由だろう。僕たちは、男性が「何を」見たいかについては、かなり理解できた。次は、それは「なぜか」について探ってみるとしよう。
男性の性的欲望
オスのヒヒが「お尻」に執着するという話を聞いても、たぶん臨床心理学者は驚かないだろう。彼らは体のパーツに執着する男をさんざん見てきたからだ。
体のパーツへの執着は、女性よりも圧倒的に男性に多いという。また、男性の性的な夢想は、女性のものより明確な形で描かれるし、男性は性体験を、女性よりもこと細かく記憶するという。男性作家が書いた官能小説は、女性作家のものより視覚的な描写が多い。
僕たちは、マーサ・スチュワートの信奉者は圧倒的に女性が多いと考え、AOLのデータのなかの「マーサ・スチュワート」を検索した人について分析した。その結果、「マーサ・スチュワート」を検索した人たちのなかに、「ポルノ」を検索した人はほとんどいないが、「官能小説」を検索した人は平均の4倍もいることがわかった。
男性の脳は、女性の脳に比べて、目で捉える性的刺激に強く反応するように作られているようだ。実際に男性の性的興奮に関与しているのは、大脳の皮質下部にある扁桃体と視床下部というふたつの部位だ。どちらもとても小さな部位で、本人が意識しなくても働いている。
扁桃体は、感情的に反応する役割を担い、視床下部は性的興奮を引き起こす役割を担っている。ある研究者が男女にいくつかのポルノを見せて、男女の脳の活動変化を比較したところ、男性の扁桃体と視床下部は、女性のものより、強く活性化したという。
被験者が自己評価した性的興奮度が、女性のほうが高かったケースでも(そうしたケースはわずかしかなかったが)、やはり男性の脳のほうが強い活性化を示したという。どうやら扁桃体と視床下部は、こう声をそろえて、男をたきつけるらしい。
「ワオ、あのふくらみ具合をよく見るんだ!」目に入った「キュー」が男の性的欲望をかき立てる。目に映った像が刺激的だと脳が判断すると、男はたちまち体と精神の性的興奮を覚える。
エロチックな像が目に入ると、勃起をつかさどる脳の部位も活性化するのだ。また男性の場合は、性的な意欲と脳の皮質下の報酬系を結ぶ経路の数が、女性よりも多いという。
男性のほうが性欲が強いのは、それが原因のひとつと考えられている。要するに、あなたが長いこと疑っていた通りなのだ。男性の脳は女性の体を物体として見るよう作られている。
こうした物体化は、はるか昔の先史時代にすでに見られる。「ヴィレンドルフのビーナス」の名で知られる像は、今から2万6000年前、旧石器時代のドイツでクロマニヨン人が彫ったとされている。この像の女性は、GGカップの胸とカバのようなお尻の持ち主だが、顔はない。