最新記事

エンターテインメント

巣ごもりGWに観ておきたいおすすめ韓国映画・ドラマ 『パラサイト』観てハマった人も観てない人も

2020年5月3日(日)11時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

巣ごもりのホームステイ週間、新しいジャンルの映画やドラマに挑戦するのもいいかも。 wutwhanfoto - iStockphoto

<世界中の映画を毎日3本見続けた映画バイヤーの「ステイ・ホーム・シアター」ガイド>

人によっては最長16連休にもなるといわれている今年のゴールデンウィーク。しかし、せっかくの連休も緊急事態宣言による外出自粛のせいで外に遊びに行けず、時間をもて余している人も多いことだろう。

新型コロナウイルスのパンデミックが始まる少し前、今年2月といってももうすっかり昔のことのようだが、米アカデミー賞で韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が4冠を獲得し、これまでアジア映画など観たことなかった人たちも韓国映画に興味をもち始めた。日本でも観客動員数100万人、興行収入14億円を超える大ヒットとなり、この作品がきっかけで「韓国映画って面白い」と気付いた方もいるかもしれない。

今回は、そんな「『パラサイト』観たけど、他にも面白い韓国作品って何を観ればいい?」という方のために、今家にこもりながらOTT(Netflix、Amazonプライムなどの動画ネット配信サービス)で観ることができる韓国映画とドラマそれぞれ数作品を紹介しよう。

よく韓国映画やドラマ好きな人にお勧め作品を聞くと「○○に出ていた○○氏主演で...」と俳優中心で勧められたり、韓国映画マニアからは「○○監督の最新作だ」と紹介されることが多いが、今まであまり観たことのない人にはどうでもよい情報だろう。ここではできるだけそういったトピックは避けて紹介したい。

映画部門

■恋愛映画『ビューティー・インサイド』

beaautyinside.jpg

GAGA / YouTube

主人公の男性は毎日容姿や性別、年齢がなぜか代わってしまうという不思議な設定で123人1役という未だかつてなかったラブストーリー。物語は彼だけでなく、彼の付き合っている彼女側の心情も描いているのが興味深い。

毎日デート相手が変わるなんて素敵じゃないかと思う人もいるだろうが、ある日は子供だったり別の日はお婆さんだったりと、コロコロ変わられると常に好きでいられるだろうか。「人間は容姿じゃない中身だ!」と言われるが果たして本当にそうなのか。韓国でも問題になっている美容整形問題にもつながる興味深いテーマが隠されている。


■サスペンス映画『あいつの声』

kununmokusori.jpg

Albatrosmovie / YouTube

韓国では度々実際の事件を元に作られる映画が登場する。特に韓国三大未解決事件は有名で、この映画はそのうちの1件を扱ったものだ。ちなみに、残りの2つは『カエル少年失踪殺人事件』『殺人の追憶』として映画化されている。

物語は9歳のサンウ君が誘拐された44日間の話である。実際に起きた事件というだけでもぞっとしてしまうが、映画の最後に実際の犯人の似顔絵と脅迫電話の声が流れ、このストーリーが実際に起こった事件であり、まだ捕まっていない犯人は外をうろついているかもしれないというリアルな恐怖を味わうことができる。


■ホラー映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』

trainforbusan.jpg

bbank / YouTube

日本公開時、原題『釜山行』から大きく離れ、まさかの駄洒落"新感染"という邦題に韓国映画ファンが驚愕した作品。

韓国では珍しいゾンビ映画であるが、そこに韓国らしい情緒が詰まっている。さらに、親子愛がベースになっているため、ゾンビ映画と聞いて避けがちな人にも観やすい作品だ。むしろ、ゾンビというよりも一種の災害パニック映画に近い感覚で観ることができるだろう。

主に列車の中で進行する話だが、車内で1人目の感染者は、先日日本アカデミー賞主演女優賞を受賞したシム・ウンギョンさんである。たった数分の出演にもかかわらず強烈なゾンビっぷりが印象に残る素晴らしい演技力にも注目してほしい。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不

ワールド

アングル:またトランプ氏を過小評価、米世論調査の解

ワールド

アングル:南米の環境保護、アマゾンに集中 砂漠や草

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中