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韓国、新型コロナウイルスの激震エンタメ界も BTSは20万人ライブ中止、ファンがとった行動は──

2020年3月5日(木)19時30分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

韓国ドラマ、バラエティーにもコロナの影が

コロナの影響は、撮影現場にまで及んでいる。Netflixでも世界配信中のtvN 制作ドラマ『ハイバイ、ママ!』では、制作スタッフのうち1人が発熱や咳などコロナの症状が出たため、検査結果がはっきりするまで撮影の中断を余儀なくされた。

数日後、このスタッフは陰性だったということで、現在は無事撮影再開されている。だが、この騒動を受けて、同じくtvNで3月5日放送開始のドラマ『賢明な医者生活』は、スタッフと出演者の安全を考え一時撮影の中断を行った。

また、5月から放送予定のシン・ハギュン主演のKBSドラマ『魂の修繕工』も撮影が中断されている。スタッフと出演者の感染防止という理由とともに、精神病院を舞台としたドラマであるため、撮影では病院でのロケが不可欠であり、この緊急時に病院に迷惑をかけられない、という配慮も関係しているという。今後は8日から少しずつ状況を見ながら撮影再開の予定だという。

バラエティーや音楽番組にも影響

ドラマだけではなく、バラエティ番組にもコロナは打撃となっている。特に人気の旅行系バラエティ番組は撮影事態が困難な状態だ。tvNの人気旅番組『ザ・チャンネ・ツアー』は23日より放送休止を発表している。

野外ロケが中心のバラエティ番組も感染拡大予防として、撮影を中止している。特に、JTBC 『一食ください』 MBC 『助けて!ホームズ』 tvN 『ユ・クイズ・オン・ザ・ブロック3』 など人気番組は、一般市民も参加する番組構成となっており、撮影は一時中断。今後スタジオでの撮影に切り替えて特別編にするなどの対応策を取っている。

また、歌番組やコメディーショーなどは、基本的に多くの観客を入れて公開放送方式で収録されていたが、しばらくは無観客で収録を行っている。

このように創り手も視聴者もデメリットが目立つ新型コロナ対策のなかで、逆に好評を得る結果となった事例もある。

ソウルにある大型芸術施設「芸術の殿堂」では、多くの有名アーティストの舞台やバレエ、オペラの公演が予定されていたが、73%のステージがすでに中止を発表している。そこで、一部の公演を無観客でネット生配信にしたところ、これが好評を博している。

特に、配信中にネット上でチャットができ、ステージの感想をリアルタイムで共有しながら会話ができるサービスが、ネット社会で生きる若者層を中心に受け入れられている。もちろんライブで観る醍醐味には負けるものの、このサービスが定着すれば、今後さらに生ライブ公演配信は増えていきそうだ。

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