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パックンのお笑い国際情勢入門

「日本のお笑いって変なの?」をパックンが外国人3人と激論しました

NOT STANDUP, SIT DOWN COMEDY CHAT

2019年8月5日(月)18時05分
ニューズウィーク日本版編集部

中東でも中国でも、アメリカ帰りでスタンダップをやる人がいる

パックン さっきの1人か2人かという話に戻ると、ツッコミはアメリカにはない。オーストラリアにもないでしょ。どこの国にもコントはあり、日本と中国には漫才がある。ショートコントはどうかな。ナジーブさん、ショートコントって知ってる? チャドさん、ショートコントをお願いします。すごく短くて、よく見ないとオチを見逃します。

チャド ショートコント。お経。ぽん、ぽん、ぽん、ウィーオーリービンナ、イエローサブマリーン、イエローサブマリーン、イエローサブマリーン(と、自分で自分の頭を叩く)。

パックン ......これ、典型的なショートコントじゃない。どちらかというと一発芸に近い。相方の加藤(貴博)さんはこれになんとツッコむんですか。

チャド 「オーストラリア人のお経じゃない!」って言います。

パックン ......じゃあパックンマックンがやってるショートコントを1つ。喫茶店に行って「何か飲もう」「いいよ、何飲む?」「何でもいい、一緒でいいよ」「じゃあすみません、コーヒー2つ」「僕も2つ」「4つ来ちゃうだろ!」。これがショートコントです。すごい典型的なやつ。これを10個つなげて、5分の舞台を作る。

ナジーブ そういうのは、コメディーのドラマの中で、2人のキャラクターがやっている。

パックン なるほど、ボケとツッコミがあって。ではスタンダップはどうですか。

ナジーブ ない。でも最近、アメリカ系アラブ人が持ってきたりしている。

 中国でもそう。アメリカから帰国した人がスタンダップを持ち込んでいる。特に若い人の間で人気が出てきている。

チャド オーストラリアは(アメリカから輸入するということはなく)もうちょっとひねくれている。もともとイギリスからの島流しでできた国なので、権力が嫌い。見えを張るアメリカ人が嫌い。日本に似ていて、自虐で自分をばかに見せることに、そこまで抵抗がない。有名なアリ・Gってご存じですか。

パックン オーストラリア人だっけ? イギリス人でしょ?

編集者 サシャ・バロン・コーエン。イギリス人です。

チャド イギリス人だけど、あれに似た架空のキャラクターで、もっと自分をばかにするようなお笑いがある。例えば、記者のふりをして、いろんな有名人にインタビューするんだけど、必ずめっちゃ髭剃り負けをしてて、あちこち血が出ているとか。

パックン 読者の中には、サシャ・バロン・コーエンを知らない人がいるかもしれない。海外のお笑い文化を知るために、ぜひ検索してもらいたいけれど、バカラッパーを演じながら、R&Bチャンネルのインタビューを、いろんな有名人に黙ってぶつけるんです。

例えば、宇宙飛行士にインタビューに行って「初の月面着陸からこんなに時間がたってるけど、太陽面着陸はいつできるんですか?」と聞いて、「はぁ? できねえよ」「なんでですか?」「まず、熱すぎる」「じゃあ夜に行けばいいじゃないですか」と。結構面白いですよ。素人の生のリアクションを楽しむ。こういうのは日本にないです。

それで、モノマネも全ての国にある、と。

ナジーブ (中東にも)あります。

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