日本の写真は「自撮り、食べ物、可愛いペットが多い」
――Everyday Japanクロニクルに投稿される日本の写真を見てどう思うか。
インスタグラムをはじめ世界のSNSでの傾向でもあるが、Everyday Japanにも、俗にストリートフォトグラフィー的と言われる都会の写真が多い。
これは諸刃の剣だ。(ストリートフォトグラフィーは)アクセスしやすく、またお互いが影響を与え合うことで表面的な写真のテクニックは高まった。しかし一般的に言って、他のタイプの写真や写真の裏にある物語性が、以前にも増して重要視されないようになってきている。
――あなたは日本と外国の写真家の傾向、あるいはドキュメンタリーといった写真ジャンルに詳しい。日本人の写真との関わり方についてどう思うか。
他国はよりセットアップしないドキュメンタリー的な写真を好み、その手の写真がかなりのボリュームを占める。それに対し日本は、圧倒的に自撮り、食べ物、「可愛い系」のペットの写真が多い。
風景でも物語性は二の次で、表面的にきれいな写真や観光名所の写真が好まれる。また、ストリートフォトグラフィーでも(半ば)セットアップしたものが多い。
唐突になるが、第2次世界大戦を経験し、その後、戦争責任はひと握りの人々にあった、という公の記憶が歩き出したのが日本だ。以後はその影響で、多くの物事において、物語の中に深く関わることに日本人は無意識的に拒絶反応を起こしているのかもしれない。
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