最新記事

日本

日本の大学教授は高額所得者か、一般サラリーマン並みか?

2018年2月2日(金)15時52分
松野 弘(千葉商科大学人間社会学部教授)

一番高いのは一流といわれている有名私立大学クラスで、最高は教授クラス(55歳前後)で1600万円前後、最低は800万円前後(小規模な私立大学)である。

平均的に大手私立大学の場合、教授クラス(55歳前後)で、1200万~1600万円程度である。私立大学の場合、大手私立大学の賞与はこれまで年間6カ月以上の大学が多かったが、少子化や景気低迷による受験生の減少に伴い、5カ月程度の月数に下げられているところが多い(平均的には、地方公務員並みの賞与4カ月前後に準拠している大学[地方私立大学]が多い)。

国立大学法人の場合、俸給基準は人事院で決められているので、基本的には大学教授の給料(号俸)に差はないが、地域手当(都市手当[京都大学]、教育研究連携手当[東京大学]――0%~18%)の差によって、給与(年収)も変わってくる。

資料1(下記)をみてもわかるように、国立大学法人大学86校のうち、教授の平均年収が1000万円以上の大学は37校、全体の43%で、さらに、1100万円以上の大学は5校で、最高は東京医科歯科大学の1183万円である。最低は琉球大学の940万円なので、その差は約200万少しである。平均年収でいえば、教授クラス(55歳)で、1000万~1200万円程度である。

公立大学(ないし、公立大学法人)の場合、詳細な資料がないのでなんともいえないが、資料がある大学の事例からみると、教授クラス(55歳前後)で1000万~1100万円前後だろうか(国際教養大学の1300万円という例外もある)。

こうみてくると、大学教授(60歳)の給与(年収)は国家公務員や大手企業でいえば、課長、ないし、部長クラスの給与(年収)と推定できる。とすると、大学教授の給与(年収)はさほど高くないということがいえる。

【資料1 】国立大学法人大学の給与(年収)リスト(平成23年〔2011年〕度)

webcollegesalary180202-chart1.png

出所:「独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準一覧(平成23年度)」から各国立大学法人の資料を筆者が編集。参考資料:国立大学職員日記(※空欄は該当者がいないか、もしくは1名の場合は個人が特定される可能性があるため非公開とされている)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米金利先物、9月利下げ確率60%に小幅上昇 PCE

ビジネス

ドル34年ぶり157円台へ上昇、日銀の現状維持や米

ワールド

米中外相会談、ロシア支援に米懸念表明 マイナス要因

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中