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「脱アベノミクス」は困難か...どうなる衆院選後の経済政策

2024年10月23日(水)15時51分
石破首相

27日の投開票へ終盤戦に入った衆議院選挙は、報道各社の情勢調査で与党の劣勢が伝えられ、自民党の単独過半数割れにとどまらず、石破茂政権が勝敗ラインに設定した自公で過半数を維持できない可能性も浮上している。首相官邸で10月9日、代表撮影(2024年 ロイター)

27日の投開票へ終盤戦に入った衆議院選挙は、報道各社の情勢調査で与党の劣勢が伝えられ、自民党の単独過半数割れにとどまらず、石破茂政権が勝敗ラインに設定した自公で過半数を維持できない可能性も浮上している。来夏に参院選を控える中、政府や与党、市場関係者からは積極的な財政出動と金融緩和で景気を支える「アベノミクス」的な経済政策を脱するのは難しいとの見方が出ている。


 

メインシナリオは

「霞が関、永田町では財政出動圧力が強くなるというのがコンセンサス。石破首相も参院選に向けてお金で国民の気持ちをつなぎとめるしかないということになるのではないか」と、自民党関係者は話す。

22日までに国内の主要報道各社が実施した衆院選の世論調査では、いずれも公示前に247の議席数を保有していた自民党が単独過半数233議席を維持できるか不透明と予測。情勢調査が現実となれば、自公は旧民主党に政権交代を許した2009年以来の歴史的大敗を喫することになる。

クレディ・アグリコル証券の会田卓司チーフ・エコノミストは「政治基盤が弱い石破政権は『経済あっての財政』の方針をしばらくは維持する」とみる。引き締め方向に向かおうとしている金融政策についても、政府内から「日銀の利上げはもともと難しい環境にあるが、さらに難しくなりそう」(内閣府幹部)との声が聞かれる。

歳出拡大の兆候はすでに出ている。石破首相は選挙戦の第一声で「去年は国費13兆円、事業総額37兆円だったが、それを上回る大きな補正予算を国民の皆様方に問い、国会の審議をたまわり成立させたい」と大型の補正予算の編成を明言。さらに22日、首都圏で相次ぐ強盗事件を受け、補正予算で防犯体制の拡充を検討する方針を明らかにした。

公明党の石井啓一代表も物価高対策として低所得者世帯に10万円程度の給付が必要との考えをテレビ番組で示しており、 経済官庁の関係者は「経済対策は最低15兆円だが、この選挙情勢なので20兆円程度に膨らむ可能性十分ある」と解説する。

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