最新記事
キャリア

「安定した会社で定年まで...」では逃げ切れない時代に...「キャリア」と本気で向き合うのに必要なこと

2024年2月29日(木)17時21分
flier編集部

変化し続けようとする人は、少し先の未来で新たな機会をつかんで花開いていきます。人は自分と似た思考の人が集まるもの。アップデートし続ける人のもとにはアップデートし続ける人が集まるし、現状維持の人のもとには現状維持の人が集まってくる。だから、少し大変でも、アップデートし続けている人たちの環境に飛び込んで、一緒に過ごす時間を増やすのは、すごく大事なことだと思いますね。

社会を「面」で変えていくための一歩とは?

大賀 最後に、徳谷さんがこれから注力したいことを教えていただけますか。

徳谷 エッグフォワードのミッションを実現することですね。そのためには、多面的に事業をやっていることが連鎖的に効いてくると考えています。事業戦略論では「選択と集中」や「ワンプロダクト」といわれるし、短期的にはそのほうが成長する。実際、投資家の方にも「組織コンサルティングが伸びるなら、それだけやったほうがいいのでは」といわれることもあります。

ですが、これからの世の中は、色々な要素がつながったり一体化したりするので、たとえば組織変革にしても、個人と組織両方の事業をしているほうが、キャリア選択も採用も支援しやすくなると考えています。大事にしたいのは、社会を「面」で変えていくこと。事業をあえてしぼらないのは、一つひとつの取り組みが、最終的にはそれらをかけ合わせたときに独自の価値を生み出せるのではないか、と考えているからです。

当面はスタートアップの共創のエコシステム創りに注力しています。スタートアップが生まれやすい構造をつくると、かけ算で大企業や中堅企業にも社会的によい影響が広がると考えているためです。

それが進んだら、toCの領域に力を入れたい。かつてはtoBつまり企業が強かったのですが、個人の力が強まって組織のあり方を変えていくようになってきた。SNSが浸透し、個人の意思が社会を動かすようになっているので、個人の生き方や意思決定のあり方を支えていきたいですね。

短期的な収益のみならず、中長期に実現したいことを見据えて事業のポートフォリオを組み、リスクヘッジもしながら人を束ねていく。こうしたことが今後の経営者に必要だと考えています。


240223fl_cts03.jpg

徳谷智史(とくや さとし)

エッグフォワード株式会社 代表取締役社長。人材・組織/キャリア開発のプロフェッショナル。京都大学卒業後、大手戦略コンサルティング会社に入社。国内プロジェクトリーダーを経験後、アジアオフィスを立ち上げ代表に就任。「いまだない価値を創り出し、人が本来持つ可能性を実現し合う世界を創る」べく、エッグフォワードを設立。

業界トップ企業から、先進スタートアップまで数百社の企業変革や出資によるハンズオン支援を手掛けると同時に、個人の可能性を最大化するべく、2万人以上のキャリア支援に従事。

NewsPicksキャリア分野プロフェッサー。PIVOT社長改造コーチ、東洋経済Online連載、Podcast『経営中毒~誰にも言えない社長の孤独』メインMC等を担当。

◇ ◇ ◇


flier編集部

本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。

通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されており、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

このほか、オンライン読書コミュニティ「flier book labo」の運営など、フライヤーはビジネスパーソンの学びを応援しています。

flier_logo_nwj01.jpg

ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ和平交渉、一定の進展も米とのやり取りは複

ワールド

米は台湾自衛を支援、訪台の上院議員が頼総統に表明

ビジネス

パウエル米FRB議長は模範的なセントラルバンカー=

ビジネス

ルーブル、対ドルで上昇 年初から40%値上がり
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 4
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 7
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 10
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中