セブン&アイ、そごう・西武を9月1日に売却へ 労組は反発し31日に西武池袋本店でスト決行
そごう・西武の労働組合は西武池袋本店での31日のストライキ実施を決めた。写真は今年2月の西武池袋本店。yoshi0511 - shutterstock
セブン&アイ・ホールディングスは百貨店のそごう・西武を米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに9月1日付で売却する方針を固めた。関係筋が明らかにした。31日に臨時取締役会を開く。売却金額は2200億円程度になる見通し。
7&iHDは昨年11月にそごう・西武をフォートレスへ売却する契約を締結した。その後、当初2月1日としていた売却予定日を3月中に延期したが調整は難航、無期限で延期していた。
昨年11月の契約では、企業価値2500億円に純有利子負債などを調整して譲渡価格を決めるとしていた。
セブン&アイの広報担当者は、会社が発表したものではなく、決まったことはないとコメントした。フォートレスのコメントは得られていない。
百貨店として61年ぶりのストライキへ
そごう・西武の労働組合は事業継続や雇用維持に関する説明が十分になされていないとして反発。西武池袋本店での31日のストライキ実施を決めた。西武池袋本店では約900人の組合員が働いており、31日は勤務を取りやめる。
UAゼンセンによると、百貨店のストは1962年の阪神百貨店以来61年ぶり。
労組の決定を受けて、そごう・西武は、西武池袋本店を終日臨時休業することを決めた。
労組によると、9月1日の譲渡を取り止めるよう経営側に求めており、29日が回答期限だった。しかし、経営側から確認が取れなかったため、終日のスト実施を決めたという。
労組は、事業継続と雇用維持で納得のいく説明がなされていないとしている一方、セブン&アイHDでは、譲渡の1日も早い実現が雇用維持、事業継続に最も資するとしている。そごう・西武は、譲渡後も労組と団体交渉や協議を継続するとしている。