日本企業の「DX」の立役者が、意外にも「紙の本」からの情報収集を大事に考える理由
そして3冊目の『ブルー・オーシャン戦略』は、どうすれば血みどろの競争が展開するレッド・オーシャンを避け、高成長と高収益につながるブルー・オーシャンを創造できるのかを学べる一冊です。もともと私は競争が苦手で、競争せずに済むビジネスのあり方を模索していました。本書に出てくる事例は、ワインの会社や床屋など、ごくありふれたビジネスでありながら、戦略をうまくずらすことで競争を避けている事例ばかり。そこから勇気をもらいました。
『ブルー・オーシャン戦略―――競争のない世界を創造する』
著者:W・チャン・キム、レネ・モボルニュ
翻訳:入山章栄、有賀裕子
出版社:ダイヤモンド社
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── 最近読まれた本のなかで、ビジネスパーソンにおすすめの本があれば教えてください。
最近社員におすすめしたのが、世界が注目する投資家レイ・ダリオ氏の著書『PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則』です。レイ・ダリオ氏は世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者。ESG投資の世界でも重鎮とされている人物です。半分自伝のようなかたちで彼独自の哲学が書かれており、まちがいなく良い本です。
彼は、人生や仕事の目標を達成するための原則をつくり、その通りに行動していった。そして失敗したら原則に立ち返り、徹底的にPDCAを回し続けました。そうやって高いパフォーマンスを発揮するファンドをつくってきた彼の意思決定の原則は、成果が出たものばかりなので学びが多いのです。
『PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則』
著者:レイ・ダリオ
翻訳:斎藤聖美
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
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── 高橋さんはフライヤーというサービスについてどんな感想をもっていますか。活用法のアイディアをいただけると嬉しいです。
何のために読書するのかによって使い方が変わると思います。情報取集の一環なのか、作品として本と向き合いたいのか。
前者なら、たとえば「メタバース」「Web3」について知りたいときに、そのテーマのカギとなるコンセプトをフライヤーで効率よくつかめると思います。「メタバース」「Web3」に関する本はすでに数多く出版されています。先にフライヤー内で「メタバース」「Web3」と検索し、そこでレコメンドされた本の複数冊のサマリーを読んでおく。そうすれば、そこに共通する内容から土台となる知識を身につけつつ、自分にとっていま読むべき本の選書に役立てられると思います。